(巻三十四) 賽銭の十円ほどのおらが春(松本きよし)

(巻三十四) 賽銭の十円ほどのおらが春(松本きよし)

 

8月15日月曜日

眼科に出かけた細君から電話が入った。8月1日から有効の新しい高齢者保険証を持ってきてくれとのことだ。失策のカバーは後日のネタになるのでタクシーに乗って悦んでお届け致した。

一日にして老婆は成らず百日紅(名和未知男)

駅前まで行ったので、最近、顔本グループの『一人飲み同好会』で安く飲めると話題になっている「やよい軒」の亀有店を覗いてみた。基本的には飯屋だ。定食ばかりでつまみになりそうなものがない。ほっけ定食を頼んで飯は食べないというような飲み方をするのだろうか?貼り出してあるメニューを検分したが定食がバカ安とは思えず、飲物のことは書いてござらん。入口のドアを開けて評判のよくない券売機のところまで行って、そこまでにして店を出た。ここに飲みに来ることはないな。やよい軒の並びに松屋がある。松屋のカレーはいつか食べてみよう。

昼寝して、4時過ぎから散歩した。図書館から時計回りで都住3、2、白鳥ファミマ、葛飾野裏、で5時過ぎ帰宅。ファミマで焼きうどんで路酎したが焼きうどんに感動はもうない。止めよう。

猫は、団地のフー子、相変わらずフーッと吹く。可愛くないがそばに来るので一袋あげた。都住3ではサンちゃんが食欲を示したので石垣で二袋あげた。フジちゃんもきたのであげながら尻尾をさわったら鞠の弾けるように草むらに逃げ込んだ。大きな雄猫だが臆病な猫だ。そこから1号棟に廻りクロを呼んだら草むらから出てきた。だいぶ馴れてきたな。

都住3から、引っ掻いた太郎を小突いて以来久しぶりに都住2に行ってみた。友達婆さんが餌をやっているところで太郎はこちらを認識するとそわそわして食事半ばで草むらに駆け込んでしまった。花子は食事を済ませてから足下にきて私の足をペロペロなめてくれる。抱上げて膝の上で撫でたりコチョコチョ掻いてあげると今度は腕を舐めてくれる。友達婆さんが「淋しいのよ、(パトロン婆さんが)いなくなっちゃったから」と仰る。

願い事-ポックリでお願いします。もういいや。

散歩の間に細君はテレ友に電話していたようで、眼の不調を愚痴ると「何云ってるのよ。画にかいたように幸せなくせに!」とたしなめられたそうだ。裕福ではないが貧困でもない。明白で切実な不幸もない。夫婦して流行を追わず、物欲が少ないから心のゆとりを生んではいる。今が死に時と思うくらいだから幸せなのだろう。今のうちに早く逝かねば。

身の丈の暮し守りて冷麦茶(北川孝子)