句歌控帳「立読抜盗句歌集(巻七)」
人間に寝る楽しみの夜長かな(青木月斗)
会社の入っている25階建ビルの4階辺りの壁面に溝がある。
そこに雀が巣を作っている。
雀たちの囀りがこだまして耳を楽しませてくれる。
目こぼしの雀のお宿ビルの谷(潤)
ビルのオーナーは芸術に理解のある方で、一階のエントランスホールを芸術大学の造形作品展に提供している。
雀さんたちにも愛情を注いでくれるだろうか?
おとがいを われに向くれば まなざしも われに向きたり 春の石膏 (村木 道彦)
昨晩のNHKカルチャーラジオは岸本先生の俳句でした。
戦後生まれの俳人たち、という副題で講義がございました。
紹介された俳人は、
摂津幸彦氏
田中裕明氏
もはや、目に写ったことではなく、心で考え抜かれたことが五七五に季語を入れて詠まれているようです。
筆者には無理なので、無理なことはいたしません。
春愁のもとをたどれば俳句かな(あらいひとし)
両氏の句を今朝探し、書き留めました。
履歴書に残す帝国酸素かな(摂津幸彦)
電線の密にこの空年の暮(田中裕明)