(巻九)古郷を磁石に探る霞かな(平賀源内)

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11月13日金曜日

今朝は先頭車両の運転席後ろに立って30分の旅を楽しんだ。
かつての雰囲気を留めているのは三河島駅くらいで、あのみすぼらしかった南千住駅はTXの開業に合わせた改装で全く別の駅になってしまった。

上野駅に向かう隅田川橋梁の手前の写真です。

隅田川簑来てくだす筏士に霞むあしたの雨をこそ知れ(加藤千蔭)

だいたい、南千住駅界隈には山谷辺りから流れてきた方々が昼間から酔っ払って寝ころがっていたものだ。

今や、写真左にあるような高級タワーマンションが林立しているが、車窓の三ノ輪側には小綺麗に化粧を直してはいるものの、ドヤの名残のある宿屋が見受けられる。

週一日ヨレヨレの身をドヤに置き何思ふなく聞く梅雨のあめ(宇堂健吉)

子供のころ、先頭車両の運転席後ろから進行方向を見て、運転手の真似するのがとても楽しかった。
今でも、楽しいことの一つがそれである。

少年老いたり妖怪をなほ友として(坂戸淳夫)