(巻九)「もう疲れた」遺書によくあるフレーズを春夜うっとりつぶやいてしまう(長尾幹也)

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12月13日日曜日

午後6時には帰路に付くので、浜松町駅から山手線の内回りで座れることがある。
そんな、ツキのあった日に二十代の艶っぽい女性が珍しく前の吊革にぶら下がった。

吊革に手首まで入れ秋暑し(神蔵器)

その女(ひと)が文庫を読み始めたので、何をお読みなのかと興味が湧いた。

わたしの顔が覗かれており白菊黄菊(篠原信久)

“「さよなら」が知っているたくさんのこと”(唯川恵著)を読んでおりました。
私は裸を見られるようで、カバーを外さないのですが、その女は気にしていないのでしょう。


上野で本屋に入ってその本を捲ってみた。第一編「ひとりの時間をどう過ごしていますか」の第一話「寂しさ、このやっかいなもの」を“ふむふむ”と読み、買うことにした。

私として、もう一話“ふむふむ”と読んだのが最終話「時がおしえてくれること」でした。

しかし、全般的に読んでみての感想は、“そんなもんですかねぇ?”と言う話が多い。恋愛を含めての処世本ですが、“軽いなぁ”というのが感想です。
中程の120ページから「男について、少しだけわかったこと」と言う話が載っている。
更に、この“わかったこと”が以下の8つの小項目を立てて述べてある。
その一:男はなめてかかれ
その二:第一印象を良くし過ぎるな
その三:男は想像以上に口がうまい
その四:女が白黒つけたいと意気込む時、結果はほとんど黒になる
その五:男にお金を使わせる
その六:男は女好の恋愛嫌い、女は恋愛好きな男嫌い
その七:藁をもつかむ思いでつかんだものは、絶対に藁だ
その八:女は恋を実にしようとする。男は恋を花で終わらせようとする


メディアはちがうが、NHK第一放送の金曜日9時半からの、香川リカ先生の「こころの美容液」の方に私は軍配をあげたい。