(巻十)メーデーのうたごえ喫茶に昭和かな(佐藤志津江)

2月25日木曜日

メーデーという言葉が出てくると連想ゲームで“総評”が思い浮かびました。もはや死語かと思いましたが、この性能の良くないガラケーの変換機能でも“そうひ”で“総評”が飛び出してきました。(固有名詞としてではないのでしょうけれど?)
戯れに“にっきょうそ”と入れてみましたが、こちらは“日記”までが精一杯でした。

細胞が幟打ち立て春の駅(潤)

労働者といえば、トランプ候補の躍進は疲弊した中流階級の不満を追い風にしていると言う分析があるようです。
トランプ候補は中国からの(日本製品も八つ当たりで含まれているようです。)輸入品に45%の関税を掛けると公言していますが、中国からの輸入品により淘汰されてしまった産業とそのため失業した労働者の苦境は実質的な問題であるとのことです。
貿易が国を富ませると言う経済論はアダム・スミス以来です。
しかし、ある経済分析では、産業の専門化や得意産業の繁栄で貿易が国富に繋がるという経済論は長期的には正しいが、淘汰された産業の労働者が直ちに得意産業に吸収される訳ではない。数十年にわたる調整期間に淘汰された産業とその労働者が被る損失は貿易によるこの期間の国全体の獲得利益に匹敵する、との見方が示されています。

あと戻り多き踊りにして進む(中原道夫)

中国がWTOに加盟したころ、「中国が世界の工場になる!」と言われておりましたが、そのとき「世界にある工場はどうなる?」という問い返しはなかったなぁ。

秋風やあとから気付くこと多し(加藤あや)