(巻十)妻有らず盗むに似たる椿餠(石田波郷)

4月11日月曜日

新入社員が隣の課に配属になりました。何ヵ月も研修する余力も教材もないのでするから、現場で実地訓練となるわけです。
イシダさんとイシザワさんを取り違えて電話を取り次いだりしていましたが、新鮮さと礼儀正しさを備えた青年でございました。

餅も酒も皆新米の手柄かな(井上井月)

豚児も世の中では、それなりに振る舞っているようですし、我が身のあの頃に比べれば遥かにしっかりしているようです。

月光や気恥かしきは過去すべて(伊藤寿子)

午後から風向きが変わりひんやりとして参りました。明日の朝は5度との予報ですので、一度仕舞い込んだタイツと長袖下着をまた出しました。

NHKラジオのラジオアーカイブスは野坂昭如さんの第二回でした。野坂さんの生い立ち、なぜ神戸空襲なのか、アメリカヒジキとは何のことなのか、大村さんとの縁や直木賞受賞連絡の際のエピソードなど大変興味深くうかがいました。
大村さんが「文体を持った作家の魅力」として野坂さんを語っていらっしゃいました。いつか読んでみたいと思います。

野坂さんの火垂るとはちがいますが、

音もせで思ひに燃ゆる蛍こそ鳴く虫よりもあわれなりけれ(源重之)