(巻十三)足腰の弱き虹立つ師走かな(木村正光)

11月23日水曜日

何処にも出掛けず誰にも会わず自分の渦に空回りした一日であった。

転結のあたりで渦となる流れ(新畑ひろし)

過日、NHK文化講演会でギリシャ哲学では、「生まれてこないことが最善で、早く死ぬのが次善である。」との考え方があったと語られた。我輩もそう言うことをよく考える。

絶対の安堵に死とふ涼しけれ(密門令子)

細君から我輩が書いたレターの束の返還を受けた。中には一緒に見た映画の券や正月ラグビーの券、柴又帝釈天や都内の庭園を歩いたときの写真が手紙と絵葉書と一緒にありました。
我輩も細君から手紙やプレゼントをいただいたが、散逸させてしまった。
この歳で離縁するというわけではない。いわゆる終活であり、終わりを意識しての処分作業で少しでも覚悟を強くしていかなくては。

死支度忘れがちなり菊枕(近藤一鴻)