(巻十三)段々と本気になりて水鉄砲(片平るみ)

1月15日日曜日

冷まじや自分自震に目覚めけり(潤)

やはりマイナス二度となると寒く、ブルっと震えて目覚めた。
それはそれとして、今朝のNHK第二の宗教の時間、禅宗の大谷観音堂住職小林義功氏「私の仏法観」とのお話しを金光寿郎デレクターをきき手はとして拝聴した。“今を楽しく生き、取り越し苦労から解き放たれる”がお話しの趣であったと思う。

むずかしき禅門出れば葛の花(高浜虚子)

坊主・牧師は説教で鍛えているので話は流れるが、我輩の感ずるところではキリスト教禅宗の方が浄土系より解りやすいお話しをされていると思う。これは元の旦那寺や墓分譲で接触した坊主がこの系統で、「三年七年、十三年とお務めはちゃんとお願いする。彼岸や盆等もちゃんとして頂く。」と強欲を袈裟にも隠さず、と感じたことによる反感もあるのであろう。また、キリスト教禅宗にあまり世襲の匂いを感じないことへの好感を反映しているであろう。

水洟や仏観るたび銭奪られ(草間時彦)

きき手の金光寿郎(かねみつとしお)デレクターはこの番組の草分けデレクターで少なくとも半世紀以上この番組に関わっていて、著名な宗教者、哲学者、宗教研究者とお話しをされている方である。先般亡くなれた渡辺和子さんの番組も金光寿郎デレクターをきき手としてうかがったと思う。

長き夜や口下手なれど聞き上手(小柴柊生)

巻三の70の

鶴の湯の 廃業決まり 明日より 東京の富士 またひとつ減る (上田国博)

の上田氏が歌会始めに入選を果たした。おめでとうございます。

入選
歩みゆく秋日(あきひ)ゆたけき武蔵野に浅黄斑蝶(あさぎまだら)の旅を見送る(上田国博)