(巻十三)年の瀬や水の流れと人の身は(其角) あした待たるるその宝舟(大高源吾)

1月14日土曜日

重ね着や更に重ねて二重足袋(潤)

やはり来るものはやってきますね。

待つていし今日の寒さでありにけり(ほりもとちか)

当地では昼ころまだ晴れている空から風花が舞った。風花ということばをこの齢になって知ったのだが、なんと風雅なと思った。書き留めた中でも、

着く土を 選ぶがごとく 漂いて 光の中の 今日の風花 (高安国世)

冬ながら空より花の散り来るは雲のあなたは春にやあらむ(清原深養父ーふかやぶ)

が特に好きな歌でござる。

昨日は歌会始めでしたが、我輩注目の秋篠宮家次女佳子さまの歌は、

春の野にしろつめ草を摘みながら友と作りし花の冠

二年前の詠題“本”で詠まれた、

弟に本読み聞かせいたる夜は旅する母を思いてねむる

の方がよかったな。


この寒いなか、町内会の寄合と夜回りが重なった。慣例で寄合が優先されるので寒空の下を拍子木を打って歩くことには成らずに澄んのですが、夜回りの隊員の集まりもこの寒さで悪く、80歳の隊長と75歳の副隊長がストーブにあたりながら、「二人だけだったら、中止だなぁ、危ねえからな。」と呟いていました。

出陣のごとき身支度火の見番(西村周三)