(巻十四)目の高い人に拾はる彩落葉(丸山佳子)

2月14日火曜日

気の急いている細君に尻を叩かれて、まだだいぶ先の転居ではあるが、移住先の電気、ガス、水道の利用申し込みをした。
幸い電話がスイスイと繋がりそれぞれ6~7分の通話で手続きが完了した。
インターネットでも出来るがどうしても旧来の電話という手段に頼ってしまう。

すいすいとモーツァルトにみずすまし(江夏豊)


過日、URと賃貸契約を結んだあと細君と伴に家電屋に寄った。冷蔵庫は二十年近く使ったので買い換えたい、電子レンジはサイズが合わないので買い換えたい、照明はLEDにしょうと云う。
服も買わず、友達とのランチを避け、旅にも行かず、装飾品などは手を出さない堅実な細君がたまあに欲しいと云うのだから、まあいいか。

通帳にらんで女動ぬ道の端(きむらけんじ)

感服したのは、家電屋の販売員である。30分近く品定めだけの細君に付き合い何かと細かい細君の愚問、奇問を捌き納得させて、細君が申し訳ないからドライヤーを買うことにしたと云うところまで持っていく見事な接客力であった。

聞き役にまわり夜長と思ひけり(能勢昌子)