(巻十四)海鳥の取り落す餌や大南風(依光陽子)

3月11日土曜日

移住先の亀有を歩いてみた。昼間なので開いてはいないが、むかしむかしを思い出すバーや韓国・比国系のスナックがまだある街のようだ。チェーン店ではなさそうな飲み屋もある。ここへ移住を決めてから夜を歩いていないが、夜はちょっと賑やかな街になるのかもしれない。

酔客の消えた夜更けのカウンター昔の彼女のママと向き合う(木村義?)

移住先はJRの亀有と京成電鉄の青砥の間でやや亀有よりに位置するが、浜松町まで通うとなると、青砥まで歩いて京成から都営地下鉄浅草線のほうが結局安くて速いのかもしれない。このルートにすると電気ビル裏のプロントや神田コーラクには寄れなくなるが、今度青砥まで歩いてみよう。歩く道が心地好ければ青砥もありだ。

啓蟄や地下鉄ばかり乗り継ぎて(河野薫)

亀有も相当な場末であるが、今の最寄り駅となると田舎である。その田舎の駅の直ぐそばのお宅の満開の梅の木にメジロが二羽蜜を求めてか花を啄んでいた。メジロを間近に見たのは初めてであるが美しい。

寒禽の取り付く小枝あやまたず(西村和子)