(巻十四)やけに効くバレンタインの日の辛子(三村純也)

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4月11日火曜日

どうでもよいことですが、税関の新施策“遠隔申告、申告先官署選択制、通関業者の営業区域制限撤廃”がこの秋、10月8日から実施されることが決まったようだ。

http://www.customs.go.jp/kaisei/seirei.htm#H29s133

関税法の改正、伴っての政令改正は整ったようだが、通関業法関係は今のところはっきりしない。特に実行上の拠り所となる通関業法基本通達が見えないので対応策の検討会を開いても煮詰まらない。

道なりといふはあいまい秋の暮(佐藤博美)

検討メンバーの中には、これはビジネスチャンスだとの認識を持っている方もいるようだが、むしろコストカッティングとリストラクチャーのオポチュニティというところが本質であろう。
故に、施策全体では大手の申告官署選択で切り捨てられる虞がある地方港の中小通関業者の抵抗が強いのであろう。通関業法関係の整備の遅れもこの辺りの“政治的”問題、“死活”問題があって成案に至らないのではないかと邪推するところである。

川と海どこで折合ふ時雨虹(佐藤績麻)


もっとどうでもよいことですが、関税法基本通達の改正新旧対照表を拝見していたところ、網羅的に「願書」が「申出書」に換わっておりました。紙の上ではおカミのおカミ意識が少しは薄まったような気もいたしますが。

http://www.kanzei.or.jp/tokyo/tokyo_files/pdfs/cus_info/2017/290406-2.pdf


帰途、駅ナカの本屋に入って時間潰した。店が小さいから、売れない本はさっさと引っ込められる。文庫の棚の“商品”の入れ換えは頻繁である。
暇潰しの立読み人には次々と新しい文庫が並ぶのは悪くないし、ときには“出逢った時が買い時”で逃したらもう出逢えないかもしれないという心理にもなる。買手を追い込むには上手い商法だ。

そして今晩は、「職業としての小説家ー村上春樹(新潮文庫)」を手にし、即購入した。氏の名声は存じているが、小説は読んだことがない。文庫で「雑文集」を読んだが、そのうちの一文を筆写しただけで、その文庫本はもうどこかへ行ってしまった。「雑文集」に比べても意味はないのかも知れないが、「職業としての小説家」には雑文集の作品と趣を異にする文がしっかりと詰まっているようだ。頭から尾っぽまで筆写することはないだろうが、コチコチと打つ頁は相当有りそうだ。

小説を書きたくなりぬ枯木宿(吉野佳一)