(巻十四)のらのらと生きて立夏のうすき汗(大木あまり)

4月12日水曜日

とりあえず、午後2時までは長閑な一日が過ぎている。今朝駅頭で買ったジャパンタイムズの一面は真央さんの写真だったし、NHKテレビのお昼のニュースも頭の方でも真央さんの引退会見を流していた。この国も長閑なのだろう?

この先を考えている豆のつる(吉川英治)

緊張感と云えば、外務省が韓国旅行について、低度の旅行注意情報を出していた。その一方でモノレールの車内には中国国家観光局の広告が貼られているのだから、緊張の必要はないのかもしれない。

長閑さや叱られている犬の貌(阪田昭風)

ペギー葉山さんが亡くなったそうだ。“南国土佐”か“蔦の絡まるチャペル”かと云えば、やはり“学生時代”だ。夜間部中退とは言え、我輩は青学に縁を持ったし、あの頃記念館の隣にあった図書館にはよく入った。チャペルだって高層ビルの一部ではなく、正にアメリカの北東部にありそうなチャペルであった。

メーデーうたごえ喫茶に昭和かな(佐藤志津江)

明日13日は啄木忌だそうだ。

靴裏に都会は固し啄木忌(秋元不死男)


社会と闘っているMさんから誘われて神田のコーラクで呑んだ。社会との孤独な戦いのなかで何の力にもなれないが、一緒呑むことがMさんの孤独感を癒すなら、呑みましょう。何しろ我輩は部外者で社会から仕打ちを受けても、年金というセーフティネットはあるので、身は引けるのですから。

そんな訳で呑んで帰途につき、駅から歩いているうちに小用がいたしたくなり、家までの10分を超早足で歩き漏らさずにたどり着けた!

此所小便無用花の山(其角)