(巻十四)願ふことあるかもしらず火取虫(土方歳三)

4月24日月曜日

回覧板の取り次ぎと町会費の取り纏め程度の班長の仕事ではあったが、無事次期班長さんへの引き継ぎが終わりホッとした。

ふと肩の荷を下したる朝寝かな(稲畑汀子)

社内報に主に貿易関連官庁からのお達しを咀嚼してお粗末ながら原案を提供している。3月半ばから4月半ばのドラフトを広報担当に提出していたが、どうもネタ枯れで呼び出された。

事無しに生きむと願ふここにさえ世の人言はなほも追ひ来る(川田順)

重くもなく、軽す過ぎず、お役に立つ官庁から周知と云うのはなかなかござらんが、税関ホームページに掲出されている関税率表の最右欄に品目の項番号ごとに輸入貨物に求められる他の法令(薬事、食品衛生、動植物検疫など)の略号が追加されたニュースはいかがと進言し話がまとまった。

抜け道の柵守りたる蛇苺(友井正明)

Japan's Tariff table adds other law information on the rightest end column.

The far right column indicates several alleviations standing for such as PL (Plant Quarantine Law), AN (Domestic Animal Infectious Disease Control Law) and other 27 laws, acts and orders which governs export and import goods. Those other regulations are enforced by other than customs and respective authorities may issue export and import certificates which have to be furnished when the controlled goods are to be cleared at customs. http://www.customs.go.jp/english/tariff/2017_4/index.htm


いずれにせよ、拙劣なる駄文は外国人編集者により跡形もなく料理され、全く別物となって社内報の片隅に掲載されるのである。

裏返る自負の暗みに亀鳴けり(老川敏彦)

班長引き継ぎも終わり、

秋鯖を心祝ひのありて買ふ(宮下翠舟)

とコーラクで呑んでいたら歌奴(円歌)が88歳で亡くなったとテレビが伝えた。あの一芸で落語協会会長まで登り詰めたのだから、芸のある師匠たちは面白くなかろうが、芸で生きる咄家は芸で行けばよいのだ。

穴まどひ今日が明日でもよい立場(佐伯虎杖)

新作・漫談落語だって大変面白いし、先ず笑える。今輔だって、痴楽だって、三平だって、こん平だって世相を観察して笑いを造ったのだから、それは凄い事だと思いますよ。