(巻十五)手仕事の友としこころ遊ばせる耳にやさしいラジオの音声(松本知子)

5月23日火曜日

今日はトレペー交換の古紙回収業者が廻ってくるので、朝のお仕事は細君が廃棄する書籍ミカン箱十個を玄関先に出すことであった。重たい与謝野源氏なども“さよなら”のようである。蔵書の取捨から見るに周五郎の時代物が一番の宝物のようだ。

しら刃もて われにせまりし けはしさの 消えゆく人を あはれと思ふ (与謝野晶子)

質の利に折る指十のそぞろ寒む(尾崎紅葉)


飲めるとき、呑みたいときに飲んでおこうと神田コーラクに寄った。
テレビでは昭和46年の渋谷騒動の警察官殺人犯(21歳の新潟県警の警察官が火炎瓶を投げつけられ全身火傷で亡くなられた事件ー殺された事件)の逮捕を報じていた。亡くなれた警察官は当時21歳、容疑者は今67歳だと云う。

煙幕にあへぐ枯木とヘルメット(鈴木詮子)

あの時代を振り却って“ぞっとしている”団塊氏もいることであろう。我輩もちょっと赤面である。

革命は遂に起らず寒椿(新納科村)