鉄路荷物追跡の途中、息子と駅蕎麦を食した。朝の５時半にバターロール二個とバナナ一本であったからさすがに腹が空いた。
トラックより十五分ほど先着した。移住先には細君と義妹夫妻がすでに待ち受けた体制を敷いていて万全であった。
引っ越し屋さんが到着し卸しは家具などの大型荷物が運び込まれる。一旦家具類の位置が定まると梱包した箱類やハンガーボックスの衣類がバンバンと運び込まれてくるので、受け取るのが精一杯である。そして卸しの方が引っ越し屋さんの仕事しては、積み込みよりはるかに短く済ませる。
引っ越し屋さんが手仕舞をしたあとが、本当の引っ越しだ。当座必要な箱を探しだし、開梱包しつ保護材(プチプチ)を剥がし、家具の定位置に戻すのが終わったのは９時を過ぎていた。
二人して荷解き終へた新居には同じ二冊の並ぶ本棚(五十嵐裕司)
電気に強い義弟がテレビ、電話、洗濯機と手早くセットアップしてくれた。本当にありがたい。
狭いながらも二階建て戸建てにいたが、６５平米の集合住宅に移って家族三人の距離も必然的に縮まった気がする。
飯ができたから降りて来いと二階に居る息子を下から呼んでもすぐにはおりてこなかったが、三メートルの平行移動になったためか、すぐに来るし会話への反応もよいように思える。
部屋という宇宙に棲む子秋の夜をＵＦＯに乗って飯食いに来る(長尾幹也)
