(巻十八)洟かんで耳鼻相通ず今朝の秋(飯田蛇笏)

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4月19日木曜日

人の悪口を云うのは控えることにしておりますが、今日は素面(しらふ)で思いっ切り述べさせていただき、快感を味わえました。
能力云々の悪口ではなく、“人間失格”くらいまで言い切ると爽快であります!

追憶のぜひもなきわれ春の鳥(太宰治)

罪悪感は感じておりませんが、気分転換と浄化が必要になりましたので先ずは書店に入り向田邦子さんの随筆集「霊長類ヒト科動物図鑑(文春文庫)」を買いました。

知恵を持つヒトとて掛かる蜘蛛の糸(押田裕美子)

毎週聴いているBBCの6分間英語のエピソードに“Retail therapy”と云うのがありましたが、まあそれです。

置き場所に困る五月の心かな(清弘真紀子)

気分転換のあとは浄化をしなければいけないので、青砥に回ってチューハイで身を浄めることにして、大門から浅草線に乗りました。車中で早速向田さんの随筆を拝読いたしましたが、文体といい逸話といい素晴らしく、浄化をしていただきました。

悪口も肴のひとつ濁り酒(高木聡輔)

電車が青砥に近付くと高架三階の高いところを走りまして、眼下に下町の家並みがあり、その先に曲がりくねる自然な流れの中川が見渡せます。これまたよい気分転換・浄化であります。

四ッ木立石葭切が鳴き湯屋あがり(宮津昭彦)

東京都葛飾区に土地勘がない方々にご説明申し上げます。
都営地下鉄浅草線東京スカイツリーの下にある押上駅までで線路は続きますが、ここから地上に出て京成電鉄押上線になります。
線路の終点は成田空港ですが、それは先の先の話で、押上の次は曳舟、八広と小さな駅が続き、八広から荒川放水路の長い鉄橋を渡ると墨田区から葛飾区に入り四ッ木に着きます。その次が立石で、さらにその次が青砥になります。つまり葛飾の無名の地名が嬉しくも詠み込まれている句でございます。 

葛飾はかはほりの町川の町(中嶋秀子)