(巻三十八)兎も片耳垂るる大暑かな(芥川龍之介)

8月25日金曜日

 

(巻三十八)兎も片耳垂るる大暑かな(芥川龍之介)

 

晴れ。会社からお呼ばれし11時半に家を出る。バスで青砥へ、そこから京成押上線都営浅草線を利用して日本橋に向かう。

途中、立石駅を通過したが、再開発が進んでいるようだ。荒川橋梁を渡る際に綺麗な羊雲の群れを一撮できた。

青砥から各駅停車で日本橋まで20分。地下を歩いて高島屋まできたが、最後に高島屋の屋上を歩いてどっと汗をかいてしまった。

で、1時から1st half から2時から 2nd half と会議をこなして3時に退出。

思い残すことのないよう、日本橋から門仲、清澄白河と動き、萬年橋、芭蕉稲荷、隅田川清洲橋遠望、常磐、高橋商店街と狂暑の中を歩き、魚三の店前に3時45分に着いた。開店15分前なので長い列を覚悟していたが、年増女が一人だけで、ちょっと拍子抜け。年増女の亭主が来て、短パンの爺が来たところで暖簾が出た。

店内は長いコの字が二島。怖い婆さんが二人で客を捌く。下手な注文の仕方をすると婆さんに怒鳴られるので、注文のタイミングに気を使う。飲み物は瓶ビール、酒が主流で酎ハイ系はなく、ホッピーなどはない。

瓶ビールを頼み(痛風を)オッカナビックリしながら半分飲んだところで、大関の瓶詰め一合に切り換える。つまみは鰯刺し、鯵刺し、中落ち、鯛刺し、と思い残すことのないように頂いた。

4時半には満席となる。中途半端じゃない老夫婦が何組も仲良くつまんで飲んでいる。色々あった夫婦だろうが至福の上がり方だろう。瓶詰めをもう一本戴いて勘定とし三千六百円で思い残すことを無くした。婆さんから「勿体ないねえ、小瓶があったのに。」と言われたが、“それ、早く言ってよ!”だよ。

帰りは押上までタクシーにしょうと振り返り振り返り清住通りを森下の方に歩いた。

なかなか流しが来ないなと少しイライラしたところへタクシーが停まり客を降ろした。で、ドライバーに“いいかい?”と仕草をするとOKが出た。

女性ドライバーだった。押上駅前と云うと、「どの道をおりましょうか?」と訊かれたので「清住通りを道なりに、吾妻橋で右に折れて水戸街道に入らずに、真っ直ぐ。」とお願いした。

「道順で客が煩いんだね?」と振ると、

「お客さまの中にはいらっしゃいますね~。」

と、応じてきた。

顔は見えないが、声音に艶があるな~、と感じた。で、

「書物なんかに、五万円稼がないと車庫に戻れないって書いてあるけど、そうなんですか?」と訊いたら。

「帰れないということはないけれど、そのくらい走らないと給料にならないです。」と、話を切らない。で、

「前は、何していたんですか?」と立ち入ると、

「銀座でホステスしてました。厳しくなってきたので今の仕事に変わりました。」とのこと。やはり只者ではなかった。

「自分のアカウント持ってやってたんだ?」

「そうですね、アシスタントではありませんでした。」

などなど、まったく予想だにしなかった展開にワクワクし話も転がしてもらいながら押上駅前に到着。メーターにぴったり出た二千円を払って下車した。銀座のホステスさんの語り口ってああなんだ‼

今日一日、写真はいっぱい撮ったけれど、小出しにいします。

願い事-ポックリ御陀仏。兎に角御陀仏。思い残すことがなくなったのいつでもいいです。

で、

「趣味 - 室井滋」福武文庫 ブキミな人びと から

https://zuihitsuhissha.exblog.jp/32331007/

を読み返してみた。