(巻十九)蚊帳といふ網にかかりし男かな(穂積茅愁)

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6月9日土曜日

歯医者も泌尿器科もなく一日自宅で過ごした。自宅で過ごすということはお仕えするということで自由時間はほとんどない。
今日は通常のお掃除などに加え、箪笥の修理があった。引出しの取っ手の化粧板が剥離したので接着剤で修理したが、瞬間接着でないものを使ってしまったので乾くまで時間がかかった。
(バリは乾燥したあとちゃんと剥がしましたよ、念のため。)
乾きの遅いことでブウブウ言うは滑りが悪くなったとブウブウ言うは本当にブウブウが多い。嫁入り道具の箪笥だが、網にかかった不覚の記念碑のようにも思える。

鮎跳ねて簗にとびたる不覚かな(久保木信也)

やがて夜となり暇もいただけて、坂口安吾の『悪妻論』のコチコチを終えた。判らないことが多い『論』であるが70年前はこれが斬新な考え方であったのかな?

さて、つぎの作品であるが最近買った壇一雄岡本綺堂瀬戸内寂聴会田雄次の中からとも考えた。が、重たくモタれるのを読んだあとなので、軽くて消化によいものすることにした。
文藝春秋巻頭随筆集第一巻から
「魚は那須にかぎる ー 海音寺潮五郎
をコチコチすることにした。

この第一巻には百本の随筆が紹介されているが、なかなかコチコチしたくなる作品がない。
何故かというと、随筆の多くが旧友、恩師、先輩、元上司などの回顧、場合によってはヨイショとも読める作品が多く“楽屋落ち”なのである。
以下、著者とその関係であります。
鈴木健二-旧友
河倉義安-先輩
松岡英夫-戦友
和田勉ー仕事仲間三好徹ー取材対象者
阿川弘之-戦友
田村隆一-職業体験
杉村武-郷土の著名人
青木均一-有名人のよいしょ
吉田五十八-有名人のよいしょ
勝間田清一-恩師
藤田信勝-皇族とのつながりアピール
矢代秋雄-有名人との遭遇ばなし
高峰秀子-恩師・監督
金田一春彦-初恋相手の有名人
井上滋-(混乱)
井伏鱒二-単に知人列挙
服部公一-恩師・旧友
小宮山量平-戦争体験
藤原てい-(混乱)
池波正太郎-旧友
神津善行-奇遇体験談
遠藤周作-使用人
大島清-同姓同名ばなし
藤本義一-同姓同名ばなし
榎本健一-闘病記
門田勲-蘊蓄
吉川勇一-(混乱)
奥源造-蘊蓄
原田茂-闘病記
吉野俊彦-旅行談
加藤久ゾウ-蘊蓄
谷村裕-職場雑感

疲れた!

百本もあるからと思ったが、歩留まりが悪い。