(巻三十四) 棒読みの祝辞蛙(かわず)の目借時(南峯三)

(巻三十四) 棒読みの祝辞蛙(かわず)の目借時(南峯三)

7月30日土曜日

世の中の機嫌がかなり悪くなってきたが、細君の寝起きの悪さも相当なものになってきた。あれが一日続くのなら逃げ出すことも考えねばならぬが、大体30分くらいで収まる。原因は寝ながら聴いているラジオで耳にする世事らしい。

納豆汁おのが機嫌をとれずをり(岡田史乃)

今朝はTシャツ9枚ほかの洗濯を致した。

昼寝して汗をベトベトにかく。

3時過ぎに完乾の洗濯物を取り込む。

4時過ぎから散歩。図書館で返して借りた。そこから時計回りで都住3。サンちゃんだけが手前の階段で寝そべっていた。今日はサンちゃんもご機嫌が悪くそばに寄ったら後退りされた。しつこくしても嫌がられるだけだからすぐに引き上げた。都住2では友達婆さんが食事の片付けをしていて満腹の花子ちゃんが寝そべっていた。通りすがりの婆さんと友達婆さんの話を聞きかじるに、パトロン婆さんはしばらく不在のようで太郎と花子はこのごろ部屋に入れず野宿をしているようだ。ここにも諸行無常の風が吹いているのか。太郎や花子がこれから野良になるのは辛かろう。婆さんにすがっている生きている猫たちはそこいら中にいるが、婆さんだから先の保障はない。健康年齢マイナス20年ということでか、愛護団体が貰い手の年齢を50歳あたりに制限しているのも分からなくはない。私などとても里親になれない。

金魚ならまだ飼えそうな持ち時間(高橋悦子)

願い事-電球が切れるが如くで細君より先にお願い致します。怖くない、怖くない。

一寸先が闇なのは太郎や花子に限ったことではない。明日はわが身だ。長生きはすまい。

絶対の安堵に死とふ涼しけれ(密門令子)

今週の顔本の写真に使おうかと、空蟬[うつせみ]を調べたらCast-off cicada shellと出てきた。

空蟬のそばなる蟬のむくろかな(高梨圭一)

空蟬となるとこの句を添えたいが英訳が詩にならない。