(巻三十六)界隈はむかし闇市冷奴(吉田葎)

(巻三十六)界隈はむかし闇市冷奴(吉田葎)

 

2月22日水曜日

昨晩はFM葛飾の鉄ちゃん番組「きしゃぽっぽ」を最後まで、11時まで聴いてから眠りに落ちた。テーマが武蔵野線開通五十周年ということで、そ~だったんですか!と興味深く聴いた。同線に乗ったことはあるが、いい思い出も悪い思い出もない。新婚の頃三郷の団地を見に行ったのだが、帰りに操車場の反対側の新松戸方面のホームまで行く間に「ここはやめよう」と言う結論になった。そんな思い出だ。

6時間眠って5時に目覚め、小用。

いつものように6時20分に寝床を出て、エアコン部屋で血圧測定。7時30分に朝食を摂り、7時50分に家を出て税務署に向かう。

8時20分税務署着。50人ほどと思われる列ができていて尻尾に並ぶ(一撮)。何で一番陽当たりが悪くて風の通り道を選んで並ばせるんだ!と思うが、不機嫌になっては哲学の教えに反すると己が機嫌を取り直す。

納豆汁おのが機嫌をとれずをり(岡田史乃)

8時半に列が動き出し、受付で整理券を頂く。107番で10時15分からの回になった。一時間半待ちだ。

御沙汰とあれば仕方がない。青砥駅前まで戻りDOUTORに入りコーヒーと菓子パン(440円)で暖をとる。店内には爺さん多し。

10時に税務署に戻り、定刻に呼び込み。eTaxが浸透したためか、来署申告のスペースがかなり縮小されてすべて一階での処理になった。

先ず、対面で提出書類の確認と下拵え。予て手筈の源泉票3枚と控除資料を提出し、感じのいい二十代のおにいさんが「他に保険で控除できるものとか、ふるさと納税とか控除できるものないですね」と色々確認しながら予備書面を作ってくれた。そして「緑の線に沿って4番に行ってください。」とパソコン入力部屋へ送り出された。

パソコン部屋も去年の半分くらいに縮小されていた。順番待ちの椅子で15分ほど待機。呼ばれてパソコンの前に立つ。指導員は四十がらみの姐さん。滞りなく入力し、tax-return8000円ほどとのお告げをいただく。

収入は変わらずで、医療費は昨年より低くなっているが還付額が増えたのは健康保険料が上がったからだろう。還付額が増えたことは喜ぶことではない。

11時15分ころ税務署を退出し、青砥駅前へ戻り、今日はバスで帰宅いたした。

昼飯喰って、一息入れて、洗濯してから散歩に出かけた。

猫の日だそうなので猫参りをしたが、皆さん不在。季節が変わると居所も変わるのだろうか。最近、ポケットの猫スナックが減らない。

図書館で返却し、借りる。『唯脳論養老孟司』は3回目だが、あの箇所を何とか探し出してコチコチして置きたい。若林正恭さんの随筆も沁みるものありだ。

願い事-涅槃寂滅、酔生夢死です。

さっさと明るく上機嫌で逝く。これは決意だ!

ふるさと納税のことが出てきたので、読み返してみた。(多少は法律的な興味はあるが、それよりもこのような判例解説の文体が好きで、何とか理解できる解説をコチコチしている。)

行政法-「ふるさと納税指定制度における不指定の違法性(最高裁) ー 関西学院大学教授 中原茂樹」法学教室 2020年9月号 判例セレクト から

確定申告終へて風船飛ぶ方へ(小木曽あや子)

 

行政法-「ふるさと納税指定制度における不指定の違法性(最高裁) ー 関西学院大学教授 中原茂樹」法学教室 2020年9月号 判例セレクト から

 

最高裁令和2年6月30日

 

【論点】

改正地方税法により導入されたふるさと納税指定制度において、改正法施行前の寄附金募集実績を理由として不指定とする旨の総務省告示は、同法による委任の範囲を超えるか。

〔参照条文〕地税37条の2・314条の7、自治245条の2・247条3項

 

【事件の概要】

ふるさと納税制度は、納税者が地方団体に対して一定額を超える寄附を行うと、その越える部分の全額が、一定の上限まで、所得税および個人住民税から控除される(以下「特例控除」という)ものである。寄附金を集めるための「返礼品競争」が過熱し、Y(総務大臣)は、返礼割合(寄附額に対する返礼品の調達価格の割合)3割以下かつ地場産品に限ること等を技術的助言として通知した。しかし、X市(大阪府泉佐野市)を含む一部の団体は通知に従わず高額の返礼品提供を続けたため、地方税法37条の2及び314条の7の改正規定(以下「本件改正規定」という)により、募集適正基準(総務大臣が定める)および法定返礼品基準(返礼割合3割以下かつ地場産品に限る)に適合するとして総務大臣が指定する地方団体への寄附のみを特例控除の対象とする「ふるさと納税指定制度」が導入された。上記の募集適正基準として、平成31年度総務省告示179号(以下「本件告示」という)2条3号は、平成30年11月1日から指定申出書提出までの間に、ふるさと納税制度の趣旨に反する方法により他団体に多大な影響を及ぼす寄附金募集を行い、他団体より著しく多額の寄附金を受領した団体でないことを定めた。X市長の指定申出に対し、Yは、同号に該当しないこと等を理由として、不指定とした(以下「本件不指定」という)。国地方係争処理委員会令和元年9月3日勧告は、同号は法律の委任範囲を超えるおそれがあり不指定の理由とすべきではない等として、Yに再検討を勧告したが、Yは本件不指定を維持した。X市長が本件不指定の取消しを求めて出訴。第1審大阪高判令和2・1・30は、同号は法律の委任範囲内にある等として、本件不指定を適法とした。X市長が上告。

 

【判旨】

〈原判決破棄、請求認容〉

(i) 「本件告示2条3号は、普通地方公共団体に対する国の関与に当たる指定の基準を定めるものであるから、関与の法定主義〔自治245条の2〕に鑑みても、その策定には法律上の根拠を要する」。「そうすると、本件告示2条3号の規定が地方税法37条の2第2項の委任範囲を逸脱するものである場合には、その逸脱する部分は違法なものとして効力を有しない」。

(ii) 「本件告示2条3号......は、......他の地方団体との公平性を確保しその納得を得るという観点から、......本件改正規定の施行前における募集実績自体を理由に、指定対象期間において寄附金の募集を適正に行う見込みがあるか否かにかかわらず、指定を受けられないこととするものといえる。」

(iii) 「本件告示2条3号は、......実質的には、〔総務〕大臣による技術的な助言に従わなかったことを理由とする不利益な取扱いを定める側面があることは否定し難い。そのような取扱いであっても、それが法律上の根拠に基づくものである場合、すなわち、同号が地方税法の委任の範囲内で定められたものである場合には、直ちに地方自治法247条3項に違反するとまではいえないものの、同項の趣旨も考慮すると、本件告示2条3号が地方税法37の2第2項の委任の範囲を逸脱したものではないというためには、前記〔(ii)〕のような趣旨の基準の策定を委任する授権の趣旨が、同法の規定等から明確に読み取れることを要する」。

(iv) 「地方税法37の2第2項につき、関係規定の文理や総務大臣に対する委任の趣旨等のほか、立法過程における議論をしんしゃくしても、前記〔(ii)〕のような趣旨の基準の策定を委任する授権の趣旨が明確に読み取れるということはできない。そうすると、本件告示2条3号の規定......は、地方税法37の2第2項......の委任の範囲を逸脱した違法なものとして無効」である。

 

【解説】

1 ふるさと納税制度をめぐる国と市との法廷闘争として耳目を集めた本件の行政法上の特徴は、地方公共団体に対する国の関与が委任命令によって定められ、かつ、その内容が実質的には総務大臣による技術的助言への不服従を理由とする不利益取扱いと評価されうるものであったという点にある。国と地方公共団体とが憲法上併立的協力関係に立つことを前提として(塩野宏行政法Ⅲ〔第4版〕243頁』)、地方自治法は、関与の法定主義を定め(245条の2)、国の助言等への不服従を理由とする不利益取扱いを禁止している(247条3項)。これらの点を踏まえた委任命令の適法性の判断枠組みを示した点に、本判決の意義がある。

判旨(i)は、地方公共団体に対する国の関与を委任命令によって定める場合、関与の法定主義にも鑑みると、法律の委任の範囲を逸脱する命令は違法無効となることを確認する。そして、判旨(iii)は、本件告示2条3号が実質的には総務大臣による技術的助言への不服従を理由とする不利益取扱いの側面を有することを認め、地方自治法247条3項の趣旨も考慮すると、法律の委任の範囲を逸脱しないというためには、判旨(ii)のような基準の策定を授権する趣旨が、法律の規定から明確に読み取れることを要するとした。この判断枠組みは、医薬品の郵便等販売の省令による規制が事業者の職業活動の自由を相当程度制約することから、法律による授権の趣旨が明確に読み取れることを要するとした最判平成25・1・11を下敷きにしたものであろう。その上で、判旨(iv)は、①関係規定の文理、②法律の委任の趣旨、③立法過程における議論を考慮して、授権の趣旨が明確に読み取れるとはいえないとした。

2 本判決が、「本件不指定に至るまでのX市の返礼品の提供の態様は、社会通念上節度を欠いていた」ことを認めつつ、原審のようにこれを法的義務違反と同一視することをせず、関与の法定主義に忠実な判断をしたことは、重要な意義を有する。形式的は寄附金であるが実質は税であるいうふるさと納税制度において、不可欠なはずの調整の仕組みを欠いていたことがそもそもの問題であると指摘する宮崎裕子裁判官の補足意見、結論に「居心地の悪さ」を覚えつつ法的には法廷意見のとおりと考えざるを得ないと率直に吐露する林景一裁判官の補足意見から、全員一致の結論に至るまでの議論の一端をうかがうことができる。