句歌控帳「立読抜盗句歌集(巻七)」
はらわたの熱きを恃み鳥渡る(宮坂静生)
冷房のあるのは、居間兼食堂で台所に続くおよそ12畳ほどの空間である。
冷房は気持ちいいのであるが、細君が何かとうるさい。ひとの顔を見れば喋りっぱなしである。
言い出して後には引かず古団扇(吉井よしを)
鞄を持たずに通勤してみた。ポケットは少し膨らんだが手ぶらは悪くない。
省くもの影さえ省き枯木立つ(福永耕二)
バス停が150メートルほど遠くに移されてしまった。
朝は今までバスに乗っていたが、今日からは駅まで歩くことにした。
駅までは7分くらいなので雨でなければ苦にはならない。
わが庭の 柿の葉硬く なりにけり 土用の風の 吹く音きけば (島木赤彦)