(巻八)梅日和ならぬ静かな雨一と日(舩山セツ子)

血液型による性格判断はいまだに雑談のテーマとしての地位を保っているようだ。
乗り合わせたエレベーター内の女子二人の雑談もA.B.O.ABで盛り上がっていた。
「みんなの血液型知りたーい!」
と話ながら降りて行った。

感謝せず 感謝されざる 性格の 君とも長き まじわりのまま (清水房雄)

因みに、細君はAで、私はBである。

酒飲みの父親を持った、長女のA型で一つ歳上という、私のような軟弱者には理想的な伴侶である。

いつまでもひとつ年上紺浴衣(杉本零)

今日は、営業の方に同行して“お客様”へ伺った。

ご相談に対応させていただいたが、どうしたって四十年の小役人の話ぶりは隠せない。

取り調べる相手の言葉に嘘があるそう感じつつまずは記録す(松木勝蔵)

と、まではいかないが、

地物かと問はれて鰻が身をよぢる(白石めだか)

ということにはなる。