(巻八)はるかまで旅していたり昼寝覚(森澄雄)

イメージ 1

10月30日金曜日

最近、鯛焼きの句を二つ書き留めた。

鯛焼やいつか極道身を離る(五所平之助)

鯛焼を欲り哲学者老いにけり(鍵和田ゆうこ)

と言うわけで、鯛焼きが頭に残っていた。
そのような心持ちのところ、ある乗り換え駅の構内で鯛焼きに出会した。

一匹150円でもあるし、それほどは期待しないで小豆餡の鯛を一匹買ってその場で食した。
この鯛焼きチェーンの鯛焼きの形状は伝統的な鯛焼きとは異なっている。
バリが取られていないと言うか、鯛が四角いまな板に載っているかのごときである。

NHKラジオアーカイブスで作家安藤鶴雄を放送した際に、氏が随筆で四谷「わかば」の鯛焼きを世に広めたと言うエピソードが紹介されたが、

いささかのしあわせにいて秋灯(安藤鶴雄)

昔、日米会話学院に派遣されていた頃徘徊した四谷の裏町を改めて歩いてみよう。そして伝統的な鯛焼きをいただこうかな。

秋深し四谷は古き道ばかり(入船亭扇橋)