(巻十)限りなきそらの要や望の月(最中堂秋耳)

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2月21日日曜日

ホームでお世話になっている義母を見舞いました。
ご挨拶し、細君が義母と話している間は集会室で待つのが常です。

婿二人とも大当り魂迎へ(伊佐利子)

今朝はそこで車椅子に乗った老女が介護士さんを罵っている光景に出会いました。
老女の話し方は教師風で、耳に入って来る彼女の言葉は“毒と棘”で充満していました。
“あなたのような愚図には、だから、嫁さんも来ないのよ!”程度はやさしい方で、よくもあそこまで残酷なことが言えるものだと柱の影でヒヤヒヤしておりました。

介護士さんはそのような老女の罵倒に反応せず、お仕事を淡々とされておりました。老女の側に障害があると知っているにしても平静に対応して行くのは大変なことだと思います。

あのおんな大の苦手と青大将(鳴戸奈菜)

どうも、発端はその車椅子の老女が介護士さんにホウキを貸してくれと頼んだようで、それを介護士さんが、おそらく安全面から、貸さないので老女が毒づいている、ということのようでした。

憎まるる役をふられし小春かな(伊志井寛)

いろいろな事件が起こっていますが、見えていない部分もあるのでしょう。


見舞いの後、細君とそごう6Fの“ウィーンの森”で昼食をいただきました。写真はここではこれと決めている“石焼きカレードリア”です。

義母は左半身が不自由ですが、頭脳は明晰です。義妹と細君(私も同行)が月に一回くらいづつ見舞いに行っていますが、周囲の様子を見ていますに、あまり家族の面会と言うのはないようです。
私も暖かい家族に見守られてなどと言う幻想は抱いておりませんです。

ひとりあれば身の愛しかり愛しきをありがひとして我はひとりいむ(窪田空穂)