(巻十一)地下街にあまた矢印走り梅雨(小嶋洋子)

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5月24日火曜日

ズボンの尻ポケットにパン屑を入れた携帯灰皿を準備していつでも雀さんたちに餌をあげられようにしております。

今日も昼休みに巣のある辺りに参りました。一羽二羽といましたので、パン屑を投げてあげましたが反応いたしません。そばに寄って行っても逃げないで蹲ってしまいました。
そこへ設備業の作業服を着た茶髪の若い衆が五六人やって来て、何事かと覗き込んでまいりました。
その中の一人が「生まれたての雀だ、このままじゃ死んじゃう。」と言って一羽を手に乗せました。
雀の巣立ちの季節のようですが、やはり親に心配をかける子雀さんはいるようです。
「おい、箱持ってこいよ。」と下の者言い付けて、もう一羽も掌に乗せました。
見てくれは荒々しいガテン系の兄ちゃんたちですが、心優しい方たちを知り嬉しくその場を去りました。

子雀や遠く遊ばぬ庭の隅(尾崎紅葉)