(巻十一)徳久利も猪口も上げ底山笑ふ(菊田一平)

イメージ 1

7月10日日曜日

この暑いなか細君と用事のついでに宿場町を二ヶ所歩きました。
一つは日光街道千住宿で、JR常磐線東武鉄道営団地下鉄が3線、つくばエクスプレス、が乗り入れている北千住駅のそばです。
かつては江戸から舟で隅田川を上り、千住から日光街道、さらには奥州への旅に出たそうで、芭蕉も千住までは舟できて、それから奥の細道の途についたそうです。

上汐の千住を越ゆる千鳥かな(正岡子規)

宿場であったことは“本町通り商店街”(写真)の案内板が教えてくれますが宿場の名残を探しても昔の宿場通りの大半は、不動産、コンビニ、マッサージ、チェーン店飲み屋などで、宿場町はおろか商店街としての存続さえ危ういようです。

街道も今は裏路地冬椿(酒井涌水)


もうひとつの宿場町は水戸街道の松戸宿です。JR常磐快速線では北千住の次の駅が松戸になります。
松戸宿は街道筋が商店街にならなかったことで宿場の名残が少しは認められます。何軒か古民家が保存されていて見学できますし、街道の裏道に稲荷や金比羅様が小さな社に祀られています。街道に架かる春雨橋の下を流れる坂川は市民の努力で清流を取り戻したとのことで、透き通った流れをしています。
街道がバス通りになってしまい自動車の往来が頻繁なことが残念ございますが角町バス停の辺りにも宿場の面影がございます。

渡りかけて藻の花のぞく流れかな(野沢凡兆)