(巻十二)鰯雲人を赦すに時かけて(九牛なみ)

10月1日土曜日

今夜町内会の定例会があり、ちょっと腹に入れておこうと駅前をフラついたが酒は呑みたくはなかった。それに今夜の我が家の夕飯は豪華な茸飯ではないものの好物の炊き込みご飯と決まっているのでこれは美味しく戴きたかった。

平凡な日々のある日のきのこ飯(日野草城)

結局モスバーガーに入ったが揚げ物は避けることにした。小腹を満たすに手頃そうなやや大きめのカップの豚汁があったので試してみると、豚肉の小片が三、四枚が浮かび少量の人参、大根、牛蒡の切れ端が薄めの汁の底に沈んでいた。“これが案外旨い”。これからはモスバーガーでは珈琲はやめてこれにしょう。

らあめんのひとひらの肉冬しんしん(石塚友二)

6時半から始まった町内会定例会議は秋の運動会の担当決めが主な議題であるが、集まった役員・班長の平均年齢は65歳を超えている。
召集、用具、スタート、ゴール、会場整理、などが担当のお仕事であるがスタートとゴールに応募者がいない。ご町内の親睦運動会とは言え、着順などに絡む仕事でうるさいことを言われるのは“蒙御免”という心情は理解できる。私はプラカードを持って場内を回り選手を集める召集係に落ち着いた。

まとまらぬままに風鈴売の音(斎藤朝比古)

閉会後の帰り道では“年のことも考えて欲しいわ!”と言う参加者の本音が呟かれていた。柏そごうではないが、この町会の年齢構成などもう少し考慮に入れて企画されてはいかがか?
加えて申せば、本部役員は悠々自適の土地持ちや年金受給者で町内会活動はちょうどよい暇潰しだろうが、輪番で仰せつかる班長たちには勤め人も多いのである。毎月毎月行事を作られて駆り出されたのではたまらん。

「おじいさん」として借りらるる運動会(小松誠一)

9日が運動会で23日が防災訓練だという。定例会議の欠席者も随分と増えてきている。