(巻十二)口下手で思ひのたけを文夜長(嶋田摩耶子)

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11月3日木曜日

昨日は昼休みに神保町まで足を伸ばして古本祭を覗いてみた。新橋駅前の市と違い古本というよりは古書のようで出店の板に括られて並んでいる書でも結構な値がついている。

足袋の値に驚くことも現世(このよ)かな(尾崎迷堂)

文庫本で出会いがあればと思っていたが、文庫本はほとんど扱われていない。わずかに小宮山書店が脇の路地に百円均一の文庫本を並べていたので中から「小僧の神様ほか短編10作品」を買った。

蝋の鮨のぞく少女のうなじ細く(高見順)

駿河台下まで行って引き返したところで雨粒が落ちてきた。出店には予ての手筈のとおりシートが掛けられた。神保町交差点から三崎町方向にも古書店が多いが、雨も降り出したし、昼休みのサボりも度を超してはいけないのでそれは又の機会と致して、蕎麦屋に入った。

しぐれ来て一振り多き七味かな(公望)

今日となり、11編を捲ってみた。第六編の「范の犯罪」を書写しながらしっかりと読んでみることにした。

殺したき女ある夜の落ち椿(田付賢一)