(巻十六)足袋はくやうしろ姿を見られつつ(大野林火)

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11月1日水曜日

くだんの如く、渋谷・表参道を徘徊いたしました。
表参道から半蔵門線で神保町のはずでございましたが、神保町で降りますとどうしても駿河台下方向に歩いてしまいますので、今日は一つ手前の九段下駅で下車し、三崎町の方向から古書店街に入りました。
古書店街の始まりは、あのポルノの雄“芳賀書店”でございまして、IT and Netのご時世に屈することなく店を張っていらっしゃること御同慶の至りでございます。

不健全図書を世に出しあたたかし(松本てふこ)

我輩の狙いは百円の文庫本ですが、芳賀書店から二、三軒先の山本書店で以下の文庫本を確保し大いに満足いたしました。

どくとるマンボウ航海記、北杜夫(中公文庫)
女へんの漢字、藤堂明保(角川文庫)
ハラスのいた日々、中野孝次(文春文庫)
中国故事-はなしの話、駒田信二(文春文庫)
タコのまるかじり、東海林さだお(文春文庫)

更に歩を進めまして二、三軒先の店にも文庫本百円均一が並べてございましたのでひやかしてみますと、

木村治美氏の
「エッセイを書きたいあなたに」

が目に留まりました。レジに持って行ってお支払をいたしましたが、この爺さん“エッセイを書くつもりなの?”と云うような冷やかな視線を感じました。他の文庫を捨てるつもりで買って混ぜ混ぜすればよかったかな?

古本漁りが済み、神保町から都営新宿線に乗り、森下町で降り、高橋(たかばし)夜店通り入口筋向かいの“魚三酒場”に4時半くらいに入りました。
先ずはビールと鰯の刺身で落ち着き、さて次はと思っていたところに、婆さんが注文を取り違えたのか、爺さんが注文したのを忘れたのか定かではありませんが、 引き取り手のいない生牡蠣が宙に浮きましたので、「それ、いただくよ!」と何年かぶりにレモンを絞って牡蠣をつるんといただきましたです。

牡蠣というなまめくものを啜りけり(上田五千石)

魚三酒場の精算:
ビール一本、大関瓶詰め一合、鰯の刺身、生牡蠣(大粒四個)、大根煮で1800円!

メメントモリ