(巻十二)是がまあつひの栖か雪五尺(一茶)

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11月2日水曜日

季節が変わったことを体はちゃんと受け止める。私の場合は水分の摂取量が変わる。内臓のこともあり昼間1リットル飲むようにしているが、春夏秋と特に強く意識せずとも飲めていた。だがここに来て帰り際にペットボトルに残っていることがある。

不可解な己に飲ます寒の水(広瀬梯子)

季節が変わり大学の営業も佳境に入ったようだ。車内広告には毛抜き広告と競うようにほぼ通年大学、専門学校の広告が掲げられているが、今朝の山手線では1列車全てを東京農大が貸し切りで広告を打っていた。農大は徹底していて、吊革まで緑色に変えている。

つちふるやつり革で読む三国志(福本弘明)

凝ったビデオも流されていたが、大根踊りの名残は全くない。土の匂いすらなく、バイオ、食品、環境を前面に押し出している。理系女子高生を含め人気が出つつある大学だけに売り物を変えているのだろう。

陰に生る麦尊けれ青山河(佐藤鬼房)

ただし、学費は私立工学系の学費であり、知人の娘が通っているが親父の泣きを呑む度に聞かされる。親父は四年間頑張ればと思っているらしいが、学科から察するに六年は脛をかじられるであろう。

如月の金の届きし書生かな(前田普羅)

大学営業の最大広告イベントである箱根駅伝の予選会を農大は通過できなかったようだ。