(巻十五)冷奴ひとりひとりにわたるころ死者の話が生者にうつる(外塚喬)

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6月20日火曜日

3ヶ月に一度の石の動き具合の検診のため松戸市にある千葉西総合病院に行った。
最寄り駅である新京成線常磐平駅から病院までの間にちょっとした木立が残されている。病院のマイクロバスに乗らずに木立の間を歩くが四季を感じる。

四十のその先見えず青葉闇(中岡毅雄)

木下闇ではあるが、四十ではないところに救いがある。先があまり長くないと云うのもそれほど悪いことではない。ここまで来ると肝心なのは終わり方である。

ラムネ玉ころんと死んでみたきもの(馬場龍吉)

と思う。

X線撮影を終わってから診察まで二時間待ちであるが、院内で聞き耳を立てて取材をしても、病状の話や施療の話であり、加えて金の心配話しである。暗くなるので常磐平駅前の珈琲店に避難することにした。

芍薬や枕の下の金の減りゆく(石田波郷)

常磐平駅の病院と反対側には昭和の御世の公団常磐平団地(引越屋が嫌がるエレベーターなしの四階建て)が昔のままに広がっていて概ね昔の人々が一見静かに棲んでいる。

青葉して団地しづかに老いにけり(角田大定)

この団地には小学校の恩師、三好先生ご夫妻のお住まいがあった。我輩は二十代前半を中心に先生のお宅によくお邪魔して先生と奥様から色々お話をいただき、大変お世話になりご迷惑もお掛けした。
おおよそのお部屋の位置は記憶にあるが、その部屋の下に立つことはできなかった。

先生の話を聞けよ葱坊主(今瀬一博)

病院に戻り、都合三時間待ちで診察していただいた。写真では悪いなりに異常なしでした。

六月の体内無事の写真かな(斎藤夏風)

しばらく検査していないので9月11日月曜日にCTと採血ということになり、検査結果の診断が19日火曜日となった。
夏休み期間中は毎週一日休もうと思っていたので丁度暇潰しに宜しい(そのくらいに楽観していたい!)。

雲の峰我が放尿の力かな(馬目空)