(巻十六)胸張つて木枯を呼ぶ素老人(佐藤鬼房)

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10月23日月曜日

6月の初めに10階建ての団地の3階に引っ越しましたが、台風対策の必要がなく、増して賃貸ですから資産という点ではまったくお気楽であります。準備と云えば、懐中電灯の電池を確認したことくらいでした。

酒さかな揃へて台風待つとせる(川名将義)

以前のボロ屋の戸建ですと、門扉が風でバタバタと開いてしまうので紐で固定し、物干しを取り込み、外壁の電線が剥離しないことを祈りながら屋根を打つ雨音、戸を叩く強風に寝付かれぬ夜を過ごしたものですが、こちらでは予報もろくに聞かず、安眠いたしました。

台風待つ声いきいきと予報官(片山由美子)

朝はいつものように、6時15分に家を出ましたが、さすがに風雨が強く、普段は駅まで歩くのですが、バスに乗ってしまいました。
東西線京葉線など海に近い路線はかなり遅れが出たようですが、常磐緩行線は定時運転でございました。普段は北千住で常磐快速線に乗り換えるのですが、今朝はそのまま千代田線で日比谷まで参り、電気ビル裏のプロントに入りました。
台風による余分な出費はバス代220円と地下鉄代195円でございました。

朝食を済ませてJR有楽町駅に参りますと、消防車が出動しておりましたが、出水や倒木は見当たらずでございました。
消防車に気をとられて、毎朝の駅構内の大黒さまへのお詣りを忘れてしまいました。息子が海外渡航中であり、しっかりとお願いしなければいけないところなので、帰りみちに寄って参ります。(お詣りいたしました。)

有りがたいことに台風は時速60キロで通過してくれましたが、

台風の仕舞ひの風に雨少し(きくちきみえ)

帰宅は上野乗り換えの通常ルートにしましたが、強風の影響とのことで常磐線宇都宮線も遅れが出ておりました。
乗り合わせました土浦行きの中距離列車も17分遅れで上野駅を発車しました。
車掌さんが、各駅の元々の到着予定時刻に17分を足してこの列車の予定時刻をアナウンスしておりましたが、暗算が不得意のようでつっかえつっかえの案内になりました。繰り上がりのところは大丈夫であろうかと気を揉みながら車内放送を拝聴いたしました。

夕霧のプラットホームに敬礼す乗務車掌の旅の始まり(本末静義)