(巻十七)寝支度の金魚がひとつ泡を吐き(本庄登志彦)

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12月20日水曜日

成田空港のお役所への年末挨拶に同行することになった。午後一とのことなので午前は佐倉城下を散策することにした。前回、10月20日は城址国立歴史民俗博物館を訪れた。今日は東側の寺町や蘭学通りを歩くことにし、長島茂男の佐倉高校の前も歩いてみることにした。

京成佐倉駅改札口備え付けのイラストマップ(写真1)をいただき、市立美術館へのダラダラ坂を上り新町の商店街に入る。商店街と云っても商店はない。ダラダラ坂の途中にスーパーマーケットが一軒あったが他に生活関連物品を扱っている店はない。おそらく国道沿いの大型店やモールと云われる施設に淘汰されたのであろう。車が運転できなくなった高齢者はどうしているのだろう。轢かれそうになった軽自動車も爺が運転していた。
佐倉・成田あたりは東京より気温が3度くらいは低い
のではなかろうか?小用がいたしたくなり、市立図書館を利用させていただいた。その図書館の二三軒隣に古本古CD屋が店を開ける仕度をしていて、店先に文庫本の並べていた。
どんな本かと百円棚を覗いたが、さっと手が出る本はない。土産物代わりに何か買っておこうと「涼しい脳味噌ー養老孟司(文春文庫)」を抜き取って店内に入った。
店の主は四十がらみの男で、古本屋の主にしては愛想がよい!店の中にも僅かではあるが文庫本があったので点検してみた。こちらにも特に敏感に反応する本はなかったが、主の愛想に負けて一冊買うことにして、
「わが山山ー深田久彌(中公文庫)」を選んだ。こちらは四百円であった。涼しい脳味噌もわが山山も本の状態は同じくらいであり脳味噌は1995年版、山山は1985年版である。山山に古書的価値があるとも思えない。なんでだろう。山山の値札に古本屋の名前が刷ってあり「Moonlight Bookstore」とあった。(写真2)


本棚に決まる本の座福寿草(津川絵理子)


新町商店街を東に進み、新町郵便局のところで鍵之手に曲がり蘭学通りに入る。蘭学通りも寂しい道であり床屋と薬屋があるくらいのものである。
蘭学通りを進み、南に下る路地に入り旧堀田邸を目指した。


城下ならではの町名うろこ雲(馬場公江)


旧堀田邸は高齢者施設「佐倉ゆうゆうの里」の裏手にあり“里”を通り抜けた。“邸”はまあどうということのない建物である。(写真3)
ゆうゆうの里のベランダで最後期高齢者のじいさんが煙草をふかしていた。“里”はいつ頃建てられただろう?見てくれは悪くない。1階には生活支援の事務所があり、看護師らしき人たちの姿も見受けられた。


あたたかき老人ホームの地図記号(藤崎幸恵)

“邸”に至るまでに寺社を横目で見てきたが、まあそんなものかと云うほどの寺社であり、他の寺社もあまり期待出来そうもない。
佐倉は城址国立歴史民俗博物館のある西半分は大変よろしいが東半分は大したことはない。
検察庁と裁判所のある小路を通り、佐倉高校に出て、京成佐倉駅に戻った。
駅前でお茶でもいたそうかと見回したが、コンビニと弁当屋があるのみである。駅からやや離れたところではセレモニーホールが建設中であった。(写真4)