(巻十七)冷まじや酒にぶつける喉仏(星野良一)

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2月23日金曜日

今日は午後イチで成田税関の保税部門に報告に上がることになっておりまして、陽気が良ければ京成本線沿いにある名所旧跡を散歩して時間調整をするのであるが、この天気、小雨小寒、ではその気にならない。
そこで名所の代わりに未踏の成田空港第三ターミナルビル、格安航空会社専用の出発・到着ビル、を散策することにした。
第三ターミナルビルは鉄道が地下に乗り入れていて、都心部へのバスが発着する第二ターミナルビルから500メートルほど離れたところにある。屋根付き風避け付きの歩道で行くが、無料バスも走っている。散策なので歩いた。

この道は一本道か秋の暮れ(深作欣二)

ターミナルビルまでの中間点に“腹の立ち始めた旅行客をなだめるように”中間点表示が出してある。手ぶらで暇潰しに歩いているなら嫌にもならないが、スーツケースを引っ張りリックでも背負って、おまけに子供でも連れていれば、ちょうどこの辺りで先行きに不安と苛立ちを覚えるのだろう。頭脳的な配慮であると褒めておこう。

四十のその先見えず青葉闇(中岡猛雄)

歩道はターミナルビル直前まで平坦であり当然だが段差はない。
3タミに着くと出発レベルに上がるエスカレーターがある。エレベーターもあるのでスーツケースなども大丈夫であるが、エレベーターの台数にやや不安を覚えた。
出発レベルの航空会社カウンターなどはどこ空港とも変わらない配置であるが、床の敷物はやや粗末で、天井は配管や配線を露にしている。しかしこれは高い店賃を払って第一、第二ターミナルビルにいる一般航空会社への遠慮と申し訳のために 敢えてそのようにしているのであろう。

葦でよい無理に木などにならぬよう(早川盛夫)

出国手続きの先がどのようになっているか分からないが、出国手続き導線までにはブランド系の店舗はなく
他の店もコンビニかドラッグストア程度である。
空港に付き物のレストラン街はないが、ショッピングモールに見られる屋台店とテーブル席があり、雰囲気もなにかモールのようである。
旅に読み物は欠かせないようで、比較的充実した書店があった。文庫棚を一回りしたら「日本人の質問
ー ドナルド キーン (朝日文庫)」があったので土産代わりにいただいた。東海林さだお氏が随筆のなかで“散歩の途中の‘ふと’は大事にしょう”と書かれていたが、ふと良い本が目に入った。

罪もなく流されたしや佐渡の月(ドナルド・キーン)

喫煙場所もちゃんとあるのだろうがそこまでは気が回らなかったので調査不足と云えば調査不足であったが第三ターミナルビルの内偵を小一時間程で終了し、第二ターミナルビルへバスで戻りいつもの根城である“CAFE de CRIE”でリポートを纏め本日の午前の部といたした。