(巻二十八)まとまらぬままに風鈴売りの音(斎藤朝比古)

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(巻二十八)まとまらぬままに風鈴売りの音(斎藤朝比古)

一月二日土曜日

本日の句は季節感ズレズレだが順番だからズラさない。

去年の初夢は、

初夢の好色にして恙無し

という妻に半分も四分の一も語れない夢を見たようだが、今年は覚えていない。

初夢は覚えておらず宝船(駄楽)

熟睡できたのだからこんなありがたいことはない。

初夢は死ぬなと泣きしところまで(真鍋呉夫)

初夢や金も拾わず死にもせず(夏目漱石)

初夢の半分夫に話けり(黛洋子)

以上の三句を書き留めてあるが、三番目の句にも深みがありますなあ!その半分は到底夫には実現できない夢かも知れないし、元彼との不倫かも知れないし、とにかくドラマがある。サスペンスを感じて好きだな。

我が妻は10時開店の生協に出かけて行き、真鯛の刺身と昆布巻き他を買ってきてくれた。昆布巻きがずいぶんと残っていたそうでどうなるのかとしなくてもいい心配をしていた。平和と云えば平和の極みだが、

後方は異変を知らず蟻の列(芹澤由美)

という句が気にかかる。

頂いた賀状も出した賀状に応じて僅かである。うち、一言添えていただいたのは一枚だけだ。

添へ書きの無き賀状きて三四枚(駄楽)

平均は突破した元上司ですが「まだ生き永らえております」と結んである。字はしっかりとしていてまだまだ矍鑠とされているようだ。一応お慶びして措こう。

秋の暮生き足りしとも足らずとも(稲垣長)

散歩:

今日は高校コースを軽く流して三千五百歩である。写真は昨日一撮した連光寺様の御言葉である。先のことは考えずにその日その日を生きよということなのだろう。人間以外はそれができるが。

目の前の物を見詰めて天の川(込宮正一)

とはなかなかなれない。

願い事-叶えてください。先のことを考えてしまいますが、生きることではありません。