(巻ニ十八)しがらみ(柵)を抜けてふたたび春の水(鷹羽狩行)

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(巻ニ十八)しがらみ(柵)を抜けてふたたび春の水(鷹羽狩行)

1月14日木曜日

ラ・ニーニャが緩んだとかで少し寒さが緩んでくれた。寒さを厳しく感じるのは歳を取ったせいばかりなかったようだ。

現世に借り無きように炉を塞ぐ(出口善子)

散歩:

高校コースを歩く。学校に生徒の居る気配が全くないな。サッカー部ももう半月以上ピッチに見ない。

コンビニのベンチで頂くコーヒーを楽しめる暖かさでございました。

本日は四千二百歩で階段は2回でした。

相撲:

細君が、貴景勝がやっと初白星だと伝えに来た。よく休まず土俵を勤めてくれている。

読書:

「無心の酒 - 池田弥三郎」文春文庫 巻頭随筆1 から

を読んだ。酒を飲んでの記憶喪失が話だ。

《先日、わたしの主催した二十人程の小宴があって、その会の進行の前後三時間ほどを、幹事がそっくり録音して、記念に持って来てくれた。それを聴き直して驚いたことは、終りの方の五、六十分は、ほとんど覚えていないことばかりであった。言った、言わないの言い合いも、家内とかならば水掛け論で、だから一方的に言い通すことも出来るけれど、こう科学的な物的証拠を提出されては、のがれねところと覚悟するより仕方がない。かくのごとき、全面的な記憶喪失一時間の証拠物件を耳にして、大袈裟に言えば、愕然と色を失い、がっくりと自信をなくしたのである。》

この流行り病があったにせよ無かったにせよ酒を集まって飲むことはないから、酒を飲んで自失することはないだろう。独酌で記憶喪失するような飲み方をするようになればカウント・ダウンだ。

凍つる夜の独酌にして豆腐汁(徳川夢声)

願い事-叶えてください。

しがらみからはほぼ完全に解き放された日々を送っているが今日はことのほか無心に過ごせてよかった。無心と云うよりはボケが進行しているのかもしれないが、まあいっか。

無をさぐりをれば落葉のしきりなる(秋光泉児)

顔本の英語俳句からイメージを得て、

右左冬の日暮れの分かれ道

という駄句を捻った。