(巻三十五)今も猶柳散るなり山谷堀(正岡子規)

(巻三十五)今も猶柳散るなり山谷堀(正岡子規)

11月27日日曜日

穏やかな朝である。気温もまだ12、3度はあるようで蒲団から出ていくのに決心はいらない。

朝家事は毛布干しと買い物。いつも買う二キロ1130円の佐渡コシヒカリが1030円で買えた‼小さなマヨネーズを238円で買った。値上がりの代表のようマヨネーズだが元の値を知らないので驚きようがない。菓子を買いたいが没収されるので、別の機会に密輸を謀るしかない。

帰宅して一息ついていると細君が俳壇を届けてくれた。

この奥に集落一つ渓紅葉[たにもみじ](高知県和田和子)

を書き留めた。高知県まで含めて鑑賞の範囲かな。

昼飯食って、一息入れて、散歩。

図書館で返して借りた。佐々木邦の短編文庫を借りてみたが、会話体なので即返却。その分を書架にあったラーメン随筆集『ずるずるラーメン』で補てん。他に借りたのは角川俳句11月号と日本の名随筆『冗談』。

図書館から都住3へ向かい、2号棟の階段でサンちゃんの歓迎を受ける。階段をトコトコと降りてきて、クネクネして愛嬌は振りまくが、スナックは欲しがらない。撫でて、摩って、首のまわりを掻いてやったら階段を上がって行ったので、さよなら。1号棟の階段に回るとクロちゃんがいて足にまとわりついてからお座りした。が、あまり食い気を示さない。日曜日は飼い主さんがいて十分いただいているのだろう。

そこから白鳥の床屋へ歩いた。3人待ちのようだが、内こどもが二人だったので入った。しかし、こどもの方が時間がかかると待っていて分かった。先ず髪の毛の量がちがう‼ここに来る爺さんたちの髪はみんな私とドッコイドッコイだからちょっと摘まめば終わりだが、高学年のこどもとなれば頭も一人前で髪の毛は爺さんの3倍4倍は下らない。所用時間は30分かな、でも千円だ。床屋のおばさんは私で時間を挽回しようと実にサッサと終わりにしてくれたが、文句はない。あとからもこどもが二人入ってきたが、日曜日はこどもの日か‼

床屋が終わり、隣りのファミマで一杯と入ったがおでんが空っぽなので110円珈琲にしておいた。珈琲を喫しながらべスさんが顔本に載せた訓、10ヶ条を読む。

10 THINGS TIME HAS TAUGHT ME

1. Most of our life is spent chasing false goals and worshipping false ideals. The day you realise that is the day you really start to live.

2. You really, truly cannot please all of the people all of the time. Please yourself first and your loved ones second, everyone else is busy pleasing themselves anyway, trust me.

3. Fighting the ageing process is like trying to catch the wind. Go with it, enjoy it. Your body is changing, but it always has been. Don’t waste time trying to reverse that, instead change your mindset to see the beauty in the new.

4. Nobody is perfect and nobody is truly happy with their lot. When that sinks in you are free of comparison and free of judgement. It’s truly liberating.

5. No one really sees what you do right, everyone sees what you do wrong. When that becomes clear to you, you will start doing things for the right reason and you will start having so much more fun.

6. You will regret the years you spent berating your looks, the sooner you can make peace with the vessel your soul lives in, the better. Your body is amazing and important but it does not define you.

7. Your health is obviously important but stress, fear and worry are far more damaging than any delicious food or drink you may deny yourself. Happiness and peace are the best medicine.

8. Who will remember you and for what, become important factors as you age. Your love and your wisdom will live on far longer than any material thing you can pass down. Tell your stories, they can travel farther than you can imagine.

9. We are not here for long but if you are living against the wind it can feel like a life-sentence. Life should not feel like a chore, it should feel like an adventure.

10. Always, always, drink the good champagne and use the things you keep for ‘best’.

Tomorrow is guaranteed to no one.

Today is a gift that’s why we call it the present.

Eat, Drink & Be Merry.

だそうだ。ほぼ同意だが、8番はどうでもいい。私のことなどほっといて。思い出される筈もない。10番もどうでもいい。細やかなものに美味さを見つけたい。

Tomorrow is guaranteed to no one.

は、そうなのだが、そこまでの達観はまだできていないし、多分できない。

4時前に帰宅。

願い事-涅槃寂滅です。滅諦なんて境地には至れないだろうけれど、願いだな。

あきらめて狸に戻る狸かな(三方元)

「刑法演習-大麻密輸事件-CDと未遂・既遂について - 名古屋大学齊藤彰子教授」法学教室10月号

設問

1 甲は、輸入禁制品である大麻(関税109条1項・69条の11第1項1号)を密輸入しようと企て、フィリピン共和国マニラ市内から、大麻約5kgを隠匿した航空貨物(以下「本件貨物」という)を自己が経営する東京都内の居酒屋宛てに発送した。

2 7月21日、本件貨物が成田国際空港に到着した後、情を知らない通関業者Qが輸入申告をし、同月24日税関検査が行われ、その結果大麻の隠匿が判明したことから、成田税関支署、千葉県警察本部生活安全部保安課および成田国際空港警察署の協議により、国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等を防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律(いわゆる「麻薬特例法」)4条等に基づいて、コントロールド・デリバリー(以下「CD」と略す)が実施されることとなった。同月27日午前に税関長の輸入許可がなされ、その後、配送業者Wが、捜査当局から本件貨物に大麻が隠匿されていることを知らされ、CDによる捜査への協力要請を受けてこれを承諾し、捜査当局の監視下において本件貨物を保税地域から引き取ったうえ、捜査当局との間で配達の日時を打ち合わせ、甲が本件貨物を受領すれば直ちに逮捕する体制が整った後、本件貨物を甲に配達した。

3 関税法2条1号によれば、同法にいう「輸入」とは、「外国から本邦に到着した貨物......又は輸出の許可を受けた貨物を本邦に(保税地域を経由するものについては、保税地域を経て本邦に)引き取ること」をいい、同法違反の禁制品輸入罪は、本件のように宅配の方法による場合、犯人の委託を受けた業者が保税地域から貨物を引き取った時点(いわゆる「通関線の突破」)で既遂に達する(平野龍一ほか編『注解特別刑法補巻(3)』(青林書院、1996年)21頁[植村立郎])。

POINT

間接正犯の事例において、被利用者が途中で情を知るに至ったが自己の意思で犯行を継続した場合、被利用者は(途中から)犯罪に該当する事実を認識しつつ自らの意思で行為している以上、同人は利用者の道具とはいえないとか、利用者は既遂結果発生に至る事象を支配しているとはいえないとして、被利用者が実現した既遂結果について、利用者は(間接)正犯としての罪責を負わないとされるのが一般的である。もっとも、「道具」や「事象の支配」というのは比喩的な表現にすぎず、間接正犯を認めた裁判例の事案も一様ではない。直接手を下していない者を直接正犯と同じように処罰することを正当化する(あるいは否定する)根拠を、事案に即して、具体的に示さなければ、説得的な論述とならない。

解説

①前提問題

捜査機関の介入がなければ未遂に終わっていたはずの密輸入事件において、捜査の必要から貨物を通関させた場合に、(その結論を具体的な犯罪成立要件の解釈として理論的にどのように説明するかはともかく)被告人に既遂犯としての罪責を問うのが妥当か否かについて、そもそも評価が分かれうるであろう。

保税地域において大麻の存在が発覚した以上、本来であれば税関長は輸入を許可してはならず(輸入禁制品の存在を認識しつつ輸入を許可すれば、それ自体が犯罪を構成しうる)、それゆえ、被告人には未遂犯が成立するにとどまることになっていたはずである。にもかかわらず捜査の必要から通関させたうえで、被告人に既遂犯としての罪責を問うというやり方には不公平感が否めないというのが、筆者自身の率直な感覚である。

これに対して、まさに被告人が薬物を輸入しようと企てた結果として捜査の必要性が生じたのであって、自らがその必要性を作り出した捜査機関の介入を理由に、現に生じている禁制品の通関線突破という結果について問責しないのは不当であるし、CDが行われた場合に未遂犯しか成立しないというのでは捜査機関がその実施を躊躇するおそれがあるとの主張もなされている(島田聡一郎・ジュリ1163号156-157頁)。

②既遂結果の発生

仮に未遂犯の成立にとどめるべきと考える場合、その結論を導く理論構成として、①既遂犯の成立に必要な結果(危険性)の発生を否定するか、あるいは、②①は肯定したうえで、行為との因果関係を否定するかのいずれかが考えられる。

まず①に関しては、形式的には大麻が通関線を突破しているものの、捜査当局による厳重な監視下にあったことから(麻薬特4条1項参照)、実質的に既遂と評価すべき事態の発生、すなわち、貨物がいわゆる自由流通の状態に移ったとはいえないと考えることも十分可能であろう。

これに対し、麻薬特例法4条1項1号が、その括弧書きにおいて、CDが行われる際に税関長が行う輸入許可の効果は貨物に隠匿されている規制薬物には及ばないと既定していることを理由に、貨物の通関線突破をもって形式的に既遂を認める見解(古田佑紀=齊藤勲編『大コメンタール薬物五法1』〔青林書院、1994年〕「麻薬特例法」21ー22頁[古田])、あるいは、貨物が捜査当局の監視下にあったとしても、「場合によっては......散逸し、犯人によって処分されたり使用されたりすることもないとはいえない」といった実質的な(抽象的)危険性の存在を理由に既遂を認めた裁判例もある(千葉地判平成8・3・5刑集51巻9号832頁)。

③因果関係

既遂結果の発生を否定できないとしても、甲の行為が行われてから結果の発生までに、CDの実施という甲が想定していなかった事情が介在していることから、両者の間の因果関係が否定されないか。「捜査機関から協力を要請された配送業者は、すでに被告人のためではなしに捜査機関のために当該貨物を配送するものであって、......それはあたかも、AがBにむけて矢を放ったが、Cがそれを途中で遮り、改めてBに向けて矢をつがえなおしたのと同様に、結果としては当初被告人の意図するところと同一の結果が発生したものではあっても、もはや被告人が設定した因果経過とは異なる」として、因果関係を否定する見解がある(齊野彦弥・平成9年度重判解157頁)。しかし、CDは甲が大麻の輸入を企てた結果としてその捜査のために行われることとなったことからすれば、(論者が類比のために挙げている事例とはことなり)甲の行為と介在事情との間に関連性が認められ、因果関係を否定することは難しいように思われる(本演習4月号〔475号〕参照)。

④正犯性

既遂結果の発生、および、それと甲の行為との因果関係を認められるとしても、大麻の通関線突破という既遂結果は、直接的には、Wによる本件貨物の保税地域からの引取りによって発生している。加えて、このWの行為は、法律上認められたCDの一環をなすものであるから、適法である。そうすると、今日一般に、狭義の共犯の成立には、正犯の行為が構成要件該当性と違法性を具備することが必要と解されていることから、大麻の通関線突破について甲の罪責を問うためには、同人につき正犯性が認められることが必要となる。

甲は、Wが大麻の存在に気づいたうえで保税地域からの引取り、配達を行う(可能性がある)ことを認識しておらず、他方で、Wは捜査当局の要請に従って行動したのであるから、両者の間に共同で大麻を輸入することについての意思連絡を認める余地はない。それゆえ、単独正犯の可能性を検討することとなる。裁判例において、直接手を下していない者が正犯とされた事例として、①是非弁別能力のない者を利用した場合、②情を知らない者を利用した場合、③適法行為を利用した場合、④被利用者の意思が抑圧されていた場合などがある。

これらのうち④については、裁判例においても、たとえば被利用者の年齢、被利用者と利用者との関係、命じられた犯罪の種類や行為の内容などによって、意思抑圧を認めるのに必要とされた強制の程度に違いがあり(小池信太郎・法教473号95ー98頁)、具体的事例において意思の抑圧が認められるかどうかの判断は必ずしも容易ではないものの、利用者が被利用者の意思を抑圧して、「自己の意のままに従わせていた」(最決昭和58・9・21刑集37巻7号1070頁)、あるいは、命じられた行為「以外の行為を選択することができない精神状態に陷らせていた」(最決平成16・1・20刑集58巻1号1頁)と認められる場合には、まさに利用者こそ犯罪事実を実現した中心人物といえ、自ら直接手を下したのと違いはないとすることに問題はないであろう。 

これに対して、①~③においては、被利用者は、構成要件に該当する行為を行うことにつき規範的障害はないものの、④とは異なり、当該行為以外の行為を選択できない状態にあったわけでは必ずしもない。被利用者に意思能力すら認められない場合、あるいは、当該行為に出ざるをえない緊急状態にあった場合を除き、被利用者は自らの意思に基づいて行為を行っているのである。にもかかわらず、構成要件に該当する行為を自らの意思に基づいて行った被利用者ではなくて、利用者こそが正犯である、犯罪事実実現の中心人物であるといえる理由を、具体的事実に即して示す必要があろう。

まず、情を知らないQが行った輸入申告(遅くともこの時点で禁制品輸入罪の着手が認められる)については、Qの道具性すなわち甲の正犯性を基礎づけるのは、Qの行為が甲との契約に基づく業務の遂行として行われたという点である(最決平成9・10・30刑集51巻9号816頁)。すなわち、貨物の国際輸送サービスを提供する事業者は、サービス利用の申込みを受けて貨物の輸出入に必要な手続や貨物の輸送等を申込者に代わって行うことを業としているのであるから、申込みがあれば、当該貨物の輸出入が法に触れる等の事情がない限り、ほぼ確実にサービスを提供することになるのであって、Qはそのようなサービス提供の一環として、本件貨物の輸入申告をいわば機械的に行っているという点が重要である。

一般化していえば、②について、被利用者が情を知らないことは、利用者の正犯性を肯定する必要条件ではあるが十分条件ではなく、被利用者が、利用者の真の意図に気づかない限り、その指示通りに行動するのは必定といえるような事情が加わってはじめて、まさに利用者が情を知らない被利用者を意のままに操り犯罪事実実現したのであって、それゆえ、利用者こそが犯罪事実実現の中心人物であるといえるのである。

前出最決平成9・10・30は、Wによる本件貨物の引取りおよび配達についても、「被告人らからの依頼に基づく運送契約上の義務の履行としての性格を失」わないとして、その道具性を肯定した。しかし、同決定に付された遠藤光男裁判官の意見において述べられているように、捜査当局の要請がなくても、大麻の存在を知ったWが本件貨物の引取り、配達を行ったとは考えられず、それゆえ、捜査当局の要請、監視の下で行われたWの行為は、もはや甲の依頼に基づいて機械的に行われた業務の遂行とはいえないであろう。

そこで、③に当たるとして甲の正犯性を肯定することが考えられる(島田・前掲157頁)。もっとも、甲がWの行為が正当化される状況を作り出したのだとしても、通関手続において規制薬物が発見されても常にCDが実施されるとは限らないのだとすれば、Wの適法行為が行われるどうかを決定づけているのは甲ではなく、CDを実施する側ということになる。にもかかわらず、CD開始後における大麻の通関線突破について、甲がWを意のままに操った結果であると評価するのは困難であるように思われる。

呟き:関税法第二条の定義は大事だなあ‼未遂犯を既遂犯にするためにCDやるのかい?犯人特定のためだと思ってましたよ。