(巻三十八)遠花火火星が一つ残されし(藤嶋務)

9月16日土曜日

(巻三十八)遠花火火星が一つ残されし(藤嶋務)

曇り。高湿度で不快。朝家事は掃除機がけ、洗濯。買い物のついでにクリーニング屋さんに寄り秋・春のジャンパーを出した。

昼飯喰って、一息入れて、今週のBBCから2本ダウンロードした。

1本はCrowd Scienceから

Why am I scare of bridges

https://www.bbc.co.uk/programmes/w3ct4y4k

で、acrophobia高所恐怖症、claustrophobic閉所恐怖症、など恐怖症の話。

もう1本は、Food Chainから、

The taste test

https://www.bbc.co.uk/programmes/w3ct4v77

で、こちらは調製食料品を販売する前の“味見”の話。色々な工夫をして信頼性の高い味見をして、売れると判断して市場に出すらしいが、ヒット商品は稀の稀らしい。色々な工夫が紹介されていた。

いずれも大筋はつかめたが神の宿る細部は解らない。聴き返し聴き返し詰めて参ろう。

なかなか聴きたくて解る番組に当たらないが今週は2本と収穫でござった。

で、4時半から散歩に出かけた。図書館前のトモちゃんは不在。図書館で4冊借りた。『日本大衆文化論アンソロジー』『戦後マンガ史ノート-石子順造』『つげ義春賛江(偏愛エッセイ・評論集)』『東京ハイキング-安西水丸』の4冊だが4冊とも大当り。2週間ではコチコチは終わらない。今読んでいる『日本の名随筆-顔』も大当りなので借り直しが増えそうである。

図書館から笠間稲荷へ回った。ちょうど飼い主の猫爺さんがコンちゃんに食事を与えたところで、飼い主さんとしばらく猫談義。大分食欲が出てきたとのお話でした。

そこから、お祭りを見に駅前まで歩き、威勢のいい御輿を見て一撮致した。屋台での一杯を目論んで行ったのだが駅前公園は御輿の定置場所にはなっていたが屋台はなし。寄付の掲示板を眺めたが、一万どまり。この辺りを地盤にしている区議は五千円。健全と言えば健全である。その区議が地元選出の衆議院議院と御輿の側のボックスカーに乗り込んでいった。ある意味地味でよろしいといえばよろしい。

駅前から銀座通り、二丁目の飲み屋路地、「司」の亀二商店街跡、と歩いて都住3に入った。いつものように公園側から入り、藤棚脇の猫婆さんのバイクのところまできて花束を見つけた。

私がフジちゃんと呼んでいて、猫婆さんがシロちゃんと呼んでいる猫が逝ったのだろう。食い気の猫だったが、顔に傷ができてから食欲がなくなり、心配であったが、やっぱりダメだったか、との思いである。伴侶のサンちゃん、猫婆さんは縞[シマ]ちゃんと呼んでいた老雌が三月に逝ったが、女房に逝かれて半年で後を追ったことになる。

花束の脇にスナックを一袋置いて合掌。

そこから2号棟に移ると階段下にクロちゃんがいて駆け寄ってきた。元気である。クロちゃんはまだまだ若い雌で、人懐こい性格だ。コンちゃんは撫でなれるのを嫌うが、クロちゃんは喜ぶ。いつものように二袋をあけた。

願い事-ポックリ御陀仏。とにかく御陀仏。

フジちゃんは苦しんだかもしれないが、死への恐怖は猫だから味あわずに逝けたのではあるまいか。

猫婆さんの話では、フジちゃんの人生は飼い猫からの転落と云うか、飼い主から棄てられて苦難の人生が始まったらしい。通りの向こう側の路地に屯っていたが虐められて都住へ逃げてきたそうだ。どういうわけか、まだまだ元気だったサンちゃんがフジちゃんをかばい、猫婆さんや1階の婆さんたちが部屋には入れないが餌をやり水をやり保護してきたらしい。サンちゃんが老いるとフジちゃんがサンちゃんをかばい、よく二匹で巴になって日向ぼこをしていた。

「いったい、おまえは何なんだよ - 吉本隆明講談社文庫 フランシス子へ から

https://zuihitsuhissha.exblog.jp/33370465/

を読み返してみた。

そして、

生協で仕入れた缶酎ハイとピーナッツでフジちゃんに献盃し、座椅子に横になった。