句歌控帳「立読抜盗句歌集」
錆鮎で転がす二合徳利かな(星野三興)
通勤の車中では、二十歳のころから英語を聴いて勉強してきた。
カセットテープと基礎英語がICレコーダーとNPRのニューストークショウまで進歩した。
うごくとも見えで畑うつ男かな(去来)
しかし、六十五近くにもなると集中力が続かない。耳から英語が流れてくるが、何か他のことを考えたり、車内の広告を見たりしていてうわの空になっている。
そこで受け身から攻めに転じ、車中では本を読むことにした。
まだ眼鏡なしで本が読めるのだ。
NHK俳句5月号の書評に丸谷才一氏の「人形のBWH」が紹介されていたので、書店で立読みしてみた。
ちょっと、合わないので、そのとなりにあった同氏の「思考のレッスン」を読むことにした。
文章読本でも、解ったつもりになれたのが、十分の一程度でしたから、この本でもどこまで内容が理解できるかこころもとないところです。
晩学の手櫛にかくも木の葉髪(岡持蝶児)
文中に引用されていた句歌のうち、一句二首を書き留めました。
冬ながら空より花の散り来るは雲のあなたは春にやあらむ(清原深養父ーふかやぶ)
文月や六日も常の夜には似ず(芭蕉)
しきしまの大和心を人問はば朝日に匂ふ山桜花(本居宜長)