句歌控帳「立読抜盗句歌集」
川に沿いのぼれるわれと落ち鮎の会いのいのちを貪(むさぼ)れるかな(石本隆一)
熟年の行きずりの恋ですかねぇ?
落ち鮎のような女性とは、どのような方なのでしょうか。
錆鮎で転がす二合徳利かな(星野三興)
という句を思い起こしました。
しかし、「あいのいのちをむさぼる」というのは過激な表現ですよねぇ?
わからなくはありませんが。
体の欲求と言うよりは、心の欲求を体が現すということなのでしょうか?
体だけだと、結局淡白な結果でしょうね。
幹に枝喰ひ入るごとく抱きあひそれより先をせずして別る(佐竹游)
それより先をしなかった、それは慈しみか打算か?
求められなかった女性には、女性の物語があるでしょう。
求めたかった男性には、打算があったのかも?