(巻九)鶯のかたちに残るあおきな粉(柳家小三治)

1月21日木曜日

湿りがちの句歌の続いたあと、ちょっとホッとする句が出てきました。
巡り会った句歌をただ書き留めているとは言いながらも、その日そのときの心境が選ばせるていることはまちがえないでしょう。

鶯餅が鶯の形をしているわけではないと思いますので、あとの形が鶯というのも理窟ではおかしいのですが、師匠の目にはそう映り、読む方もそう思えばよろしいのだ。

白黒をつけたがる癖桜散る(幸村睦子)


句歌には上品な和菓子が詠み込まれています。

如月や日本の菓子の美しき(永井龍男)

ですが、私の好物である大福餅はまったくと言っていいほど無視されております。細君なども大福餅には品がないなどと申しております。
在庫も草餅まででした。

縁側といふ草餅の置きどころ(黛執)

一日を過ごし自然と一句湧いてきました。

存在のたとえば冬の扇かな(潤)