(巻十四)誰彼に似し雲の貌夏負けす(渡邉友七)

2月5日日曜日

寒くはないが、冬らしい空模様のなか傘をぶら下げて昼酒を喰らいに街に出た。ついでに文章上達のための随筆集を買い求めた。今日は一発目で三島由紀夫の「不道徳教育講座ー角川文庫」が目に飛び込んで来たので、直ぐにこれに決めた。以前、三島の“論”を冠した書に挑戦して挫折したが、これならなんとか読めそうである。

古き家の柱の色や秋の風(三島由紀夫)

いつもの店に入って、暇潰しに後ろの席の話を聞いてみたが、そもそも言語を思考の道具としては使っていない茨城弁丸出しの兄ちゃん二人が「誰かぶん殴りてぇ!誰かいい女と遣りてぇ!」のレベルの会話をダラダラと続けていて、これは流石に耳障りであった。真偽の確かめようはないが、こういう兄ちゃんたちと寝ちゃう姉ちゃんたちもちゃんといるようで、世の中うまく出来ている!

チューリップ明るい馬鹿がなぜ悪い(ねじめ正一)

今日から巻十四に入った。百余句で一巻であるからゴールデンウィーク明けあたりまでか。色々と動きの多い四半期になる。

木に花咲き君わが妻とならむ日の四月なかなか遠くあるかな(前田夕暮)