(巻十六)日のくれぬひはなけれどもあきの暮(井上士郎)

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9月25日月曜日

くだんの通り、昼休みに新橋駅前SL広場に立っている古本市に出掛けました。行って、選んで、買って、戻るのに一時間ではきつく、15分ほど前に忍び出ました。

噴水やまこと短き昼休(枝澤聖文)

一軒目で当たりがよく、

知の森に迷ひて涼し古書の市(山崎茂晴)

8冊で締めて1200円でしたが、爆買いと云うほどではないようです。ご同輩とおぼしきはビニール袋二袋に詰め込んでスーパー並の買い出しでございました。

人それぞれ書を読んでいる良夜かな(山口青頓)

うち、一冊は中村伸郎(のぶお)さんの本で、巻末には氏の句が四季と新年の五つに分けて掲載されていました。

本書の題名は

除夜の鐘おれのことなら放つといて(中村伸郎)

から採ったそうで、 「おれのことなら放つといて」

中村伸郎さんの句は清水哲男氏の“増殖する俳句歳時記にも四句紹介されていて書き留めている句もございました。

冷奴つまらぬ賭に勝ちにけり(中村伸郎)

古本屋さんはカバーなどしてくれません。そのまま机の上に載せても置けず、他のカバー付きと纏めて引き出しに納めました。
随筆集のよいところは、必ず読める文章が雑ざっているところです。井上ひさし氏の「読本」はなかなか難しい本のようですが、一節くらい判るところもあるでしょう。