(巻十八)罪もなく流されたしや佐渡の月(ドナルド・キーン)

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2月28日水曜日

巻十八は何年か前に巻いたが、やはり巻頭には凄いと思った句を充てている。巻十七の巻頭も“スゲー!”と頭に書き留めた。
巻十八を読み切るのはゴールデンウィークころであろう。春よこい!

北が吹き南が吹いて暮るる春(臼田亞波)

映画館に封切りのポスターがあり一撮した。香川京子さんもご健在でご活躍のご様子、誠にご同慶の至りでございます。
細君は五十のころ香川京子さんのように老けたいと言っておりましたが、もし夫婦ともども長生きすると、もしかしたらポスターの香川さんのような細君とグチグチ痴話喧嘩をすることになるのだろう。

新緑やうつくしかりきひとの老い(日野草城)

さて、映画の題名である“おもてなし”と云う言葉が再び人口に膾炙するようになったのは東京オリンピック招致の頃だったと思う。なんとかと云う横文字の女子アナがアクセントをあとの方に置いて“おもてなし”と媚びていた頃からだ。その後外国からの観光客呼び込みの掴みに使われてきた。
“おもてなし”と云う言葉がいつできたのかはしらないが、著作権などはなくだれでも好き勝手に、都合のいいように使ってきた。
だが言葉の野放しはよろしくない!とのお考えが観光産業振興と行政影響力確保をお仕事とするお役所で膨張したようだ。経産省が以下のようなコンセプトを発表し“おもてなし”の標準化を図りはじめたようである。
私に賛否はないが、“おもてなし検定一級試験”なんてものをでっち上げて金儲けの手口にはして欲しくない。

http://www.meti.go.jp/english/press/2017/1227_003.html

Omotenashi skill standards

蕎麦太きもてなし振りや鹿の声(夏目漱石)

今日の午前中は姐さんのご配慮で“knowledge
sharing”と云う大層なお題でお話する機会をいただいた。
ありていに申せば“無駄飯食いの居候”と云うのが私の境遇である。トップ・マネジメントは当然ながら“もうそろそろ追い出せ!”であり、私としても、ごもっともと、承服するしたかない。

邪魔なれば暇出されたる枇杷の種(中原道夫)

そこを姐さん、親分、大番頭、ダルタニアン君などが守りに入ってくれている訳で、“知識を活用している”とアピールするために時間を割いて場を設けてくれた訳だ。

首の皮一枚残し二月果つ(潤)