(巻二十二)迷わずに出来た句はなし若葉冷え(浮谷あい子)

7月5日金曜日

成人女性畠中恵さんの愛読者でありまして文庫の新刊が出たのでくわえて戻って来いとの命が下った。
丁度よいことに、池袋の三省堂で古本市が立っているので行ってみることにした。

江戸のこと少し問ひたき桜かな(小川弘)

20店くらいが出店していて品揃えは単行本とオーディオ・ビジュアルが主体で文庫は僅かでした。
写真の映画ポスターは三千五百円でございまして、1960年代の鉄道・列車写真のネガが良い値で取引されているようでした。
文庫本では、千五百円の値を付けている随筆集(写真)がございまして、執筆者の顔ぶれは豪華でございました。モツ焼き・焼酎には平気で遣うのですが、古文庫本に千五百円を吐き出す気にはなれず見送りました。

品薄のなかで、仕留めた獲物は、

「人間、この非人間的なもの - なだいなだ」ちくま文庫
「美味放浪記 - 檀一雄」中公文庫
漱石人生論集 - 夏目漱石講談社文芸文庫

古本市を出て地下の三省堂で細君御所望の新刊文庫を二冊を購入し、九階の屋上の喫煙所で一服いたした。
十二階にはLoftの文房具売場あったので手帳を探しに行ってみた。
棺桶にそっと入れていただくの丁度よい黒手帳があった。結構分厚く、五千句くらいは書き留められそうだ。現在の収集句歌が四千超えくらいだから丁度よい。

菊添えてそつと手帳を棺の底(宮万紀子)

西武デパートのベビーカー・車椅子優先エレベーターにはオペレーターが乗っていますが、元はバリバリのデパートマンであったろうと思われる老紳士が操作し、実に趣のある売場案内をしておりました。西武デパートに限らず各デパートは再雇用の方々を上手に活躍してますね。
あたしも上手に使っていただけるよう人間力を磨かなければと思う一方で、ふと消えてしまいたいとも思う梅雨の合間の曇天の一日でございます。

目覚めるといつも私が居て遺憾(池田澄子)

帰宅後

「人間、この非人間的なもの - なだいなだ」ちくま文庫
「美味放浪記 - 檀一雄」中公文庫
漱石人生論集 - 夏目漱石講談社文芸文庫

を捲ってみましたが、コチコチしたくなるのは各冊一編くらいしかありませんでした。
イメージ 1
イメージ 2