(巻二十四)歳月を馬に曳かせて油売り(内田真理子)

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12月25日水曜日

今日の句はなんとなくいい句ですなあ。歳月というのがよろしい。

ラジオ

昨晩もFM葛飾の鉄ちゃん番組を聴いたが、このところダイヤグラムの話が続きやや食傷気味でありました。

ブックマーク

角川俳句の発売日なのでダメ元で図書館をのぞいてみたがダメでありました。週末まだ開館しているだろうから金曜日に行ってみることにしたい。

本

「女人禁制の酒づくり - 佐々木久子集英社文庫 酒はるなつあきふゆ から

を読んでみた。『酒』の編集長の酒随筆である。最後の四分の一が無ければよいのに思いました。

《ドイツのビールの例でも、酵母を培養する場合、女がやると男よりも繁殖率が劣るし、むらができる。これは女性のメンスに起因している、といわれる。つまり、メンスには酵母の発芽を妨害するミトゲネラック光線という目には見えない毒素があるからだ、というのである。
まあドイツの話はさておき、日本の蔵人は、百日以上も男だけの緊張と不休の生活をつづける。そんな気の立っているところへ、女にチラチラされたのでは仕事にも身が入らないし、精神衛生上もよくない。とくに女は化粧品や香料など異物のものを多く身につけているので、女がくると酒蔵から残り香が抜けない。敏感な黴にこれが影響しないわけはない、というのが女性を遠ざけることになった一因であろう。
酒づくりは女を入れないでもすむが、お酒を飲む段になると、これは女がいなくてはどうにも味気がない。
古来、酒と女は男にとって必要かくべからざるものであり、共に愛すべきものなのである。古人は、必要の「要」という字をこしらえるとき、酉[とり](酒という字のもと)と女をくっつけて「要“酉女”」にしたのに、いつのまにか酉は西になり、西と女をくっつけて要にしたため、本来の意味が消滅した字となり果ててしまったのである、と私は愚考するのだが.....。》

酒好きに酒の佳句なしどぜう鍋(秋元不死男)

ヘッドホン

https://www.bbc.co.uk/programmes/m000bcjr

Starting young to save for retirement

若いうちしっかり貯めて早く引退するという生き方についてのお金をテーマにした番組。
FIREという略語が頻出した。聞き取れなかったのでネットで調べたら“Financial Independence Retirement Early”の事だそうだ。
番組は主に財政的自立についての議論であったが、それがなければ引退などできないのだから当然といえば当然だ。
この番組を聴いて思い出したのが、『世捨人の文学 - 車谷長吉』(お読みいただけます)です。永井荷風尾崎一雄吉行理恵の三人を世捨人として取り上げ、いずれも食うに困らない資産を持った上での世捨てであったと解説していた文章です。車谷氏は若い頃この経済的な自立をよく理解せずに世捨人を目指していたと述懐し論を纏めています。

さまざまに世を捨てにけり歌かるた(綾部仁喜)