(巻三十二)連れられて詫び云ひ歩く月夜かな(内城道興)

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(巻三十二)連れられて詫び云ひ歩く月夜かな(内城道興)

3月4日金曜日

曇り時々晴れで気温は上がらず、陽は射さず。それでも洗濯物は外に干しておいた。花瓶のチューリップは今が盛りだ、見事なものだ。

チューリップ明るい馬鹿がなぜ悪い(ねじめ正一)

午後は歯科に行く。治療はなくお掃除だけであるが、インプラントは保険が効かず1本につき200円だそうだ。領収書をみると5本で1000円となっていたが、確か4本しかなかったはずだ。衛生士さんは治療が必要な歯があると判断し、医師の所見を仰いだ。医師の診断は、下手に手をつけるよりはそのままにして置いて終わりを待とうとのことに落ち着いた。ごもっともな好判断と感服いたす。余計なことはせず、終わりを待つ。

歯科を終わり、モツ吟に移動する。歯科にも、モツ吟にもうるさいテレビがついていて嫌になる。Noise cancellingを効かせてなんとか凌ぐ。まだ値上げにはなっていない。

昨日、今日と

「個人再生を夢見て - 高橋三千綱」07年ベスト・エッセイ集から

をコチコチしながら拝読いたした。高橋三千綱氏の文章を読むのは初めてでした。

《私は自分が世間から忘れ去られた人間であるということが分かっていても「ま、いっか」で済ませてしまう楽天的な男なのだが、昨年一年間で書いた小説がわずか百八十枚となると、これはさすがに悲惨な状況だなと思わざるを得ない。

仕事をしないのは、酒を呑んでいる時間が長いからである。二日酔いで朝を迎え、夕方までに二度昼寝をして、暗くなると小料理屋のカウンターで熱燗を呑んでいるのだから身体から酒の抜ける暇がない。近くの医院で検査を受けたら、γ-GTPが1020にもなっていて、これは久しく見たことのない数字だと医者からあきれられ、自分にとっても最長不倒距離だといったら肝硬変にリーチがかかりますよとたしなめられた。》

とあるように体調不良も明るく受け止めていらっしゃったが、昨年の夏に74歳でお亡なりになった由。図書館ネットで作品を検索した。晩年の作品は「楽天」を謳っているようだ。

物事を悲観的に見るタイプなので、楽天的に生きている人が羨ましい。高橋三千綱氏の楽天随筆を読んでみようと思う。

https://nprtheeconomistworld.hatenablog.com/entry/2020/08/04/082332

https://www.bbc.co.uk/programmes/w3ct1prd

明日食べむ瓜あり既に今日楽し(相生垣爪人)

願い事-生死直結でお仕舞いしてください。コワクナイ、コワクナイ。

糖尿で肝硬変にリーチがかかっていてもそこから16年も生きて74歳まで生きるのか。油断していると長生きしてしまう。

煮凝りや余生のかたち定まらず(川崎益太郎)