(巻三十五)秋ふかし何しに二階へ来たのやら(矢野美与子)

(巻三十五)秋ふかし何しに二階へ来たのやら(矢野美与子)

 

11月16日水曜日

今日の句もよくぞ書き留めておいたと思う。

最近、

ここ迄はまだ物忘れ山笑ふ(笠井由起子)

を書き留めたが、これもよろしい。

俳句を書き留めているが、警句も書き留めている。今朝は久しぶりに書き留めたくなる警句、以下に出会った。

I remained too much inside my head and ended up losing my mind. Edgar Allan Poe

考える過ぎると馬鹿になる、ということであろう。

“To think too much is a disease.” - Dostoyevsky

とほぼ同意かな。

父の痴呆冗談ならむ松明くる(徳武和美)

も書き留めてある。呆ける一歩手前あたりが幸せなのかもしれない。つまり、今か‼

空気が冷たい朝だ。細君は検査結果を訊きにクリニックに出かけて行って、喜んで帰ってきた。良きことのその一は数値がすべてよかったそうだ。その二は帰りに寄った肉屋で切り落としの中級肉を買おうとしたが無く、出てくるか訊いたら、直ぐには用意できないとのことで、上級肉を中肉の値段で売ってくれたそうだ。お肉が食べられるだけでありがたいのに、よかった!よかった‼

細君は7ELEVENのサンドウィッチで私は赤飯パックと即席カレーうどんで昼食とした。

昼食後、一息ついてから、散歩に出かけた。何故かカキフライが食いたくてネットで調べたら西亀有四丁目に「おぢや」という“カツ”系の食堂があり、そこで食べられそうだったのでそちらを覗きに行くことにした。

その食堂に行く前に都住3に寄りクロちゃんと戯れた。本当にうれしそうにして跳んでくるので泣きたくなる。

クロちゃんにスナックをあげていると、サンちゃんが遠くから睨んでいる。サンちゃんも可愛いので、サンちゃんところに行きスナックをあげたが、サンちゃんは歳で歯がなく、喉に詰まらせてしまったらしくゲェーゲェーしている。何とか無事に治まったようだが、“もう、いらない‼”というように水飲み場の方へ行ってしまった。残ったスナック粒をまたクロちゃんのところへ持って行き食べてもらった。

そこから、「おぢや」食堂を目指した。距離的には駅前まで行くのと変わらないが、初めての道は遠い。「おぢや」の前に同じ辺りある「高木神社」に参拝した。小さいが銀杏の多いいい雰囲気の神社だ。規模は砂原稲荷と変わらないが、木立がよろしい。

高木神社から3分ほどのところにある2階建てのアパートのような長屋の一店が「おぢや」さんだ。1階が店で2階が住まいという懐かしい構えのようである。

店に入る。昭和のスナックの造りだ。カウンターがあり5人くらいが座れて、他に4人がやっとの座敷と二人しか座れないテーブル席が一つだ。

そのテーブルで、ほぼ御同輩とお見受けしたマスターが食事をしていた。

お話をしてみると、実に腰の低いマスターでにこやかである。テレビがついていたが松方弘樹が演じる遠山の金さんだから私には無害である。

カキフライで一杯やりたいのです、と告げた。スウ~ッと理解してもらえなかったので「ご飯も味噌汁も抜きで、カキフライだけでお願いします。」と念を押した。酒は白鷹の300mlの瓶詰が600円なのでそれにした。

カキフライはしっかりしたのが5個。キャベツはたっぷり。

3時からはカラオケを始めるとかで後期高齢者の常連爺さんが入って来た。「6時くらいまで、ゆっくりしてってください。」と言われたがカラオケが始まったあたりで退散した。勘定は1500円。私のイメージしているカツカレーがメニュー写真にあったので、今度はカツカレーを喰いに来よう。

帰り道は曳舟川遊歩道にして、途中の笠間稲荷でコンちゃんに参拝した。コンちゃんもしっかり覚えてくれていて近寄ってくる。スナックを一袋あげた。最後に図書館に寄り予約していた『法学教室10月号』を借りて帰宅。

願い事-涅槃寂滅です。

風花やライスに添えてカキフライ(遠藤梧逸)