(巻三十七)浮世絵の団扇見ていて聞きもらす(久世幸子)

8月17日木曜日

(巻三十七)浮世絵の団扇見ていて聞きもらす(久世幸子)

昨日、8月16日の続き。

観光客でごったがえす銀座線上野駅から、観光客を満載した車両に乗り日本橋駅に到着。改札を出て「本日休業」の高島屋を抜けて会社の入っているビルに向かう。定刻30分前到着。頻繁に通っているなら電車の遅れなどで遅刻も出来るが、年に二、三回のお呼ばれに遅刻するわけには参らんのです。

1時からミーティング。2時に終了。

日本橋駅に降りて銀座線浅草行きに乗車。田原町辺りで会社から電話でもう一件追加オーダーが入り、4時からのミーティングがセットされた。ホッピー通り探索を断念。それでも一時間半近く時間があり、一時間は使えるので荷風が浅草で最後に蕎麦を喰った「尾張屋」へは行ける。雷門の前を通る。観光客が群れて写真を撮っているが、私もマリさんと同じようにローマのスペイン階段でグレゴリー・ペックを気取り、ロンドンのチャーチル博物館でVサインなどしてしまった。私としては観光客の所業を苦笑いすることも出来ず、同化して一撮いたした。

尾張屋は大通り面しているのですぐにわかった。中に入ると勘定場でCASH ONLYと前面に看板が掲出されていた。ここも観光客か!?入口近くの二人向かいの席に案内されて妙な色気のあるおばちゃんに天ざると大関生酒一合瓶を注文。ついでにこの店が荷風の終わり屋かと訊ねた。「建て替えましたけど、その尾張屋です。」と言って、あの有名な荷風が柏南蛮を食べている額入り写真を持ってきてくれて、「でも、荷風ファンなら天ざるじゃないでしょ?」などとちゃちゃを入れる。えび天で一合啜り、蕎麦を啜って二千円(千二百円と八百円)払って退去。浅草駅には戻らず田原町駅へ歩いた。田原町辺りまで観光客がわんさかだ。

田原町からまた観光客満載の電車に乗り日本橋へ。まだ30分以上時間があるので丸善の3階で時間調整。

4時からのミーティングは五時に終わり、帰りは最短コースにして日本橋から東西線で大手町へ、そこから千代田線で亀有へ戻り「八起」で一杯致した。

今度会社に呼ばれたらどこを徘徊いたそうか。やはり荷風ゆかりの深川常磐・高橋辺りかな。

願い事-ポックリ御陀仏。とにかく御陀仏。

で、

「“荷風の最期-浅草尾張屋” - 新藤兼人新潮文庫 ボケ老人の孤独な散歩(103頁辺り) から

https://zuihitsuhissha.exblog.jp/32315133/

を読み返してみた。

荷風忌やお一人様として帰心(拙句)